「私は昭和の子で もっぱら昭和の涙、昭和の笑い、
 そしてそして、昭和の無念ばかりを歌ってきたような
 気がする」

早坂暁『この世の景色』

超虚弱児で生まれた。戦争で死ぬと覚悟した。被爆直後の広島に入った。何度も何度も大病を患った。
それでも、平気で生きてきた。

反骨をユーモアで包み、あたたかい眼差しと飄々とした足どりで歩き続けた脚本家・作家、早坂暁。


原爆で死んだ妹・春子のこと、親友・渥美清のこと、遍路道と母親のこと。

昭和を代表するドラマ『夢千代日記』『花へんろ』『天下御免』をはじめ、『ダウンタウン・ヒーローズ』『公園通りの猫たち』など数々の名作を生み出してきた男が遺したエッセイから、名品を精選する。

©西田茂雄

破天荒で、自由で、優しかった男の、あたたかな想像力。
この世の景色_書影.jpg

書籍詳細はこちらをご覧ください。

体裁:四六判上製・カバー装
頁数:256頁
価格:本体1800円+税
ISBN:978-4-909710-10-9 C0095
刊行:2019年9月末

「喜劇と悲劇は一枚の紙の裏表。シェークスピアもそうだろ? 

涙目のドラマを書きたいんだ。涙がいっぱいに溜まって、今にも溢れそうで、

それでも一生懸命笑おうとしているドラマをね」

©田村邦男

早坂 暁(はやさか・あきら)
1929年、愛媛県松山市生まれ。作家。本名、富田祥資。日本大学芸術学部演劇科卒業後、新聞社編集長、いけばな評論家として活躍しながらテレビシナリオを書き始める。以後、小説、映画シナリオ、戯曲、舞台演出、ドキュメンタリー製作を手がける。
代表作に、「夢千代日記」「花へんろ」「天下御免」「天国の駅」「ダウンタウン・ヒーローズ」「華日記」「公園通りの猫たち」などがある。新田次郎文学賞、講談社エッセイ賞、放送文化基金賞、芸術選奨文部大臣賞、紫綬褒章、芸術祭大賞、モンテカルロ国際テレビ祭脚本賞、放送文化賞ほか受賞多数。2017年12月16日没。

暁さんは私の神さんだったのだと気付きました。
通い慣れた道にいつだって変わらずにいてくれて、側にいればいつの間にか痛みを取り除いてくれるお地蔵さんのような、神さんでした。

暁さんの言葉が聞きたい、暁さんの話がもっと聞きたい、

暁さんの台詞が言いたい!!
「この本があれば、ボクがいなくても 、ゼンゼン寂シ~クナ~イ!」
暁さんの声が聞こえてきます。

――桃井かおり         

©西田茂雄

装丁の画は、『となりのトトロ』『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』『魔女の宅急便』などの美術・背景で知られる男鹿和雄氏の書き下ろし。


雨上がりの四国松山の夕景を描いています。

〈暁さん〉が見ている〈この世の景色〉はこんなふうかもしれません。
そして、遠くに見える街の灯りのどれかが、〈暁さん〉の生家なのかもしれません。

〈立ち読み〉
本書収録エッセイのうち「偽せ者」「春子の人形」の全文が読めます。

偽せ者.jpg
春子の人形.jpg

〈早坂暁ギャラリー〉
それぞれの写真はクリックで拡大します。

小豆島、ワカメ.jpg
仕事場で.jpg
松山中学時代.jpg
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海軍兵学校(前列右端).jpg
30歳ころ2.jpg
海軍兵学校のころ.jpg
赤ちゃんのころ.jpg
松山・坊っちゃんの碑の前060621.jpg
三田佳子と.jpg
いけばな常任理事親睦会(早坂・早川尚洞氏・吉村華泉氏).jpg
執筆中.jpg
松高時代(左端).jpg
松山高校(最後列右から4人目・前列左から4人目が岩村昇氏).jpg
手書きの作品構想.jpeg
松山で060620.jpg
旅先で。渥美清氏と
美生柑で、砲丸投げのマネ.jpg
小豆島、撮影スタッフと.jpg

ドラマや小説の中だけでなく日常においても、辛いものを背負いながらも、一生懸命に生きる人や、世間からはみ出した人、不器用な人を優しくあたたかく見つめる、実に目線の低い人でした。

自分よりも大切な人でした。たくさんの幸せをもらいました。
生まれ変わっても、また絶対に一緒になりたい。

(富田由起子「あとがき」より)

©西田茂雄

〈書店様向けチラシ〉クリックでpdfが開きます

旧制松山高校時代(左端)