この1週間で、2回同じ質問をされました。
「どうして戦争や近現代史の本を出すようになったんですか?」
2回とも、うまく答えられませんでした。
というか、ひとに言うほどのカッコいいストーリーがあるわけではないんです。
無理に説明しようとすれば、いくつかの要因はあるかもしれません。
たとえば、
『火垂るの墓』を観に行ったとき、隣で号泣していた祖母のこと。
高校時代の担任で、かわいがってくれた歴史の先生のこと(彼は何年か前に若くして病気で亡くなりました)。
前職で出会った早坂暁先生のこと。
独立したときに持ってきた企画と、そこからつながっている人たち。
でもまあ、「なぜ歴史に関心があるのか」と言われても、なんだか茫漠としていて、これという決定的な物語はなかなかないものです。
いろんなことがゆるゆるとつながっていて、何となくずっと気になっている、と言うしかない感じ。
僕らは戦争を知らないから、きっとみんなそんなもんだろうと思うのだけど。
「何千と言葉選んだ末に
何万と立った墓標の上に
僕らは歩んでいくんだきっと
笑わないでね」
これは米津玄師の「ナンバーナイン」という曲の歌詞で、おいおい米津玄師なんて流行りの音楽を聴くのかよ、と言われるかもしれませんが、とてもいい。
たまに歌詞がすごくぐっときます。
さっきからこの曲ばかり50回ほどリピートしているのは、単にほろ酔いだからというだけではない、と思います。
もう若いとも言えない年齢になって、本当に若かったころのことが〈歴史化〉していくのを感じていること。
これまでと同じ時間をもう1回繰り返したら確実に死ぬのが、最近ちょっと怖いこと。
今日は初対面の人に向かって、そんなことを喋ってしまい、猛省しています(苦笑)。
Comments