「週刊読書人」(1月17日号)にて、早坂暁『この世の景色』の書評掲載!
評者は早稲田大学の長谷正人先生。
「本書はそんな早坂の名作テレビドラマに触れた経験がないような若い世代の読者にも充分に楽しめるものだし、そうした名作ドラマのエッセンスが詰め込まれているという意味では、作家理解の手引きにもなっているような、実に面白い本だと言えるだろう」
ということばには、収録エッセイを選んだ奥様も喜ばれていると思います。
以下、
「何がどう面白いのか。早坂は、どんなエッセイでも、まるでそれがドラマであるかのように情景も心理も鮮やかに描き出してしまう」
として、癌の告知、親友・渥美清との出会い、被爆と遍路……と本書の読みどころを丁寧にご紹介くださっています。
とくに、原爆投下直後の広島駅で、廃墟のなかで何百もの青白い燐光を見たというエピソードについて、
「これほど鮮やかな情景で原爆の惨状を描き出した文章というのもないだろう」
には大きくうなずかされます。
僕は生前の先生から直接このお話をうかがったことがありますが、知らない人にとってはほんとうにそんなことがあったのかと疑われるような悪夢のような風景といい、先生の穏やかながら真剣な口調といい、印象に残っている話です。
楽しんで読んでくださったのがよくわかる、ありがたい書評でした。
(と書いていたら、長谷先生から「とても面白かった」とツイートメッセージが。ありがとうございます!)
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