2月末刊行予定の野入直美先生の
の装丁案です。
沖縄、米軍関係者の居住地との間を隔てるフェンスの前で、アメリカ人の少年たちと映っている若き日の重田さん。
重田さんは奄美にルーツがあり、満洲で生まれ、復帰前/後の沖縄で青年時代を過ごし、東京でIT企業を興して成功をおさめます。
御年80歳になる方のこのような履歴は、いまの単なる日本国内の移動という感覚でとらえられるものではありません。
いったいどれくらいの人が、琉球・沖縄・奄美の関係を歴史的にきちんと把握して説明できるでしょうか。
あるいは満洲国・日本・アメリカの関係について。
重田さんはまさに、変動し続ける境界(コンタクト・ゾーン)の線上で生きてきました。
カバー裏には、奄美籍者が携帯を義務付けられた1966年の身分証明書。
このデータでは読めませんが、
「本証明書に該当する者は日本人であることを証明する」
と書かれています。
奄美は沖縄よりも一足先に本土復帰したために、そこで暮らす奄美籍者は複雑な思いをしながら暮らすことになりました。
重田さんたち奄美出身者はこの証明書を「在琉許可証」と呼びました。
「在留」ではないところが重要です。
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