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  • 執筆者の写真みずき書林

コイシイワ


『タリナイ』(大川史織監督、2018年)の冒頭とラストシーンに「コイシイワ」という歌が流れます。

日本語で書かれた、マーシャル人の愛唱歌。

日本語で書かれているけど、ほとんどの日本人が知らない歌。


はじめて映画を観てこの歌を聴いた2017年の初夏以来、何度も繰り返し聴いてきました。

大川さんにねだっていただいた音源をスマホに入れているのです。

楽譜もいただいて、ウクレレで練習しました。



今日、ほんとに何の気なしに、久しぶりにウクレレでこの曲を弾いてみました。

簡単なコードのイントロに続いて、


コイシイワ アナタハ


と歌った瞬間、絶句して落涙しそうになりました。

とても歌いきることはできませんでした。


この歌の歌詞が、異様なリアリティとともに、僕のなかで今までとはまったく異なる意味を持ったことに気づきました。


カードが次々と裏返るように、2017年の初夏以来の記憶の断片が、新たな鮮烈さで蘇ります。


同時に、はるか昔にこの歌を作った名前も知らないマーシャルの人と、心が通ったようにも思いました。

心が通った、とはありきたりな言い方ですが、でも、この歌を作った人の泣きたい気持ちがわかったような気がしたのです。


過去は凝固したものではなく、思っているよりもずっと柔らかいもののようです。



コイシイワ 

アナタハ

イナイトワタシ

サビシイワ

ハナレル

トオイトコロ

ワタシノオモイ タタレテ



ちょうど2年前も、この歌を聴いていました。

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