2019年8月16日19時30分。
この曲やってくれないかな、やるんじゃないかな、と思っていたら、ギターのイントロが鳴ってベースラインが響いた瞬間からそれとわかる「メトロポリタン美術館」。
のっけから大満足で、ライブが始まります。
ステージの背後には巨大な円形のスクリーン。
時計になったり、月になったり、地球になったり、ロゴやステージカメラを映したり。
青木慶則さん、藤岡みなみ&ザ・モローンズのオリジナルもしっかり聴かせます。とりわけ「文房具の音」という青木さんの曲は、その場で録った文房具の使用音をレイヤーしてループさせるアイデアも楽しく、この企画にぴったり。
カバーソングのセレクトも楽しい。
「時をかける少女」「あの日にかえりたい」「タイムマシンにお願い」など、とくに印象的。
大貫妙子、原田知世、荒井由実、加藤ミカが、それぞれの原曲で美魔女感、幼い繊細さ、気だるい切なさ、姐御感を醸しているとすれば、グルーヴ感あふれるバンドサウンドに支えられて、藤岡さんのボーカルは、健康的でカラフル。清涼感があります。
キュートでちょっとストレンジというのがこの人の個性であり、それはutoutoという本屋さんのコンセプトにもそのまま当てはまるようです。
しかし、ベースがぶりぶり鳴っていて、実に気持ちがいい。ベースがしっかりした音でうねっていると、満足度が高い音圧になります。
ドラムも思わずじっと仕事ぶりを見てしまいます。ドラマーの方は細身で眼鏡で、とくに「タイムマシンにお願い」では高橋幸宏みが強い。
ライブは、間にutoutoのトークを挟んだ構成。
なかいかおりさんの自作の絵本の朗読。人前で読み聞かせをすることに慣れていらっしゃるんだろうな、と思わせる落ち着いた声です。クラウドに手拍子をさせたり歌わせたり、なんだか隣のお姉さんみたいな。
その後には比留川香さんによる、utoutoで売れ筋の万年筆・文具の紹介。スマホのカメラを背景の円形スクリーンと連動させ、推しの文房具を映しながら愛を語ります。もうとにかく、嬉しそうに文房具について語る人なのです。
おだやかな落ち着きと、すなおな喜び。これもまた、店舗の個性になっているようです。
21:30くらいに終了。
「あまり飲みすぎないように」という忠告を守り(?)、ライブの感想等々話しつつ、同行の研究者タナカさんとともに終電まで呑んだのでした。
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