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  • 執筆者の写真みずき書林

『タリナイ』延長上映中!


当初は2週間の公開予定でした。

気づけば、もう1カ月以上が経っています。

映画の上映についてはまったく詳しくないのですが、アンコール上映というのは出版の世界でアナロジーすれば、増刷のようなものでしょうか。

アップリンクでの上映は、すでに3度の延長(3刷!)を経て、今月末までの公開が決まっています。

そして12月1日からは、横浜シネマリンでも上映がはじまります(4刷!)。

(上映時間、料金などはそれぞれのサイトをご覧ください)


この映画の監督を編者に迎えて、この7月に『マーシャル、父の戦場』という書籍を刊行しました。

そういう意味では、僕は映画のスタッフではありませんが、親戚筋のような立ち位置ではあります。だから、本はいうまでもなく、映画にも特別な思い入れがあります(硬い人文書を刊行している版元にとって、関係する映画が劇場公開されることなどめったにあることではありません)。

映画に携わった関係者を知っていて、本にも書いてもらっていて、その努力を知っているので、他人事とは思えない気持ちになってしまっています。


しかしここではそういう思い入れやコンテキストをいったん外して、作品だけの評価として書きます。

おそらくこの作品には〈何か〉があります。

有無を言わせず鷲掴みにしてくるような握力の強さではなく、不意に背中に置かれた手の温かさのようなものとして、その〈何か〉は働きかけてくるでしょう。

上記の通り、僕は映画については詳しくない者です。

あらゆるドキュメンタリー映画には、それぞれの力があり、浅からぬ思いが込められているでしょう。そういう意味では、この作品だけが特別なわけではないのかもしれません。

ただ、僕は昨年の6月、なんのコンテキストも前情報もなくこの作品を観る機会がありました。そして観終わったときには、ここには〈何か〉があり、それは本にもなるだろうと感じました。

そのとき僕は、まだ会ったこともなく、どんな人物かもまったくわからない監督に宛てて、「丁寧かつ暖かく作られている作品です」で始まる長いメールを書いています。

その〈何か〉は初見の僕にも間違いなく働きかけていたと思われます。



今月中はひとまずアップリンク渋谷で観られます。

来月中は横浜シネマリンで観られます。

しかし言うまでもなく、そういう状態はいつまでも続くわけではありません。

当たり前のことですが、機会を逸してしまえば、二度と手にすることができない物事もたくさんあります。

人生は短く、上映期間はもっと短い。

時間は少なく、刷部数はもっと少ない。

〈何か〉が気になったら、手を伸ばしてみるべきです。


なお両劇場とも、『マーシャル、父の戦場』を持参すると300円引きになります。




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