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  • 執筆者の写真みずき書林

別のメロディとリズムで


昨夜は、ずっとお世話になっている先生と久しぶりにお目にかかりました。 モンゴルの専門家として多くの著作・業績があり、梅棹忠夫の仕事を今に伝える伝道者でもあります。 新刊『この世の景色』の新聞書評をご覧いただいてお買い求めいただき、昨日は『マーシャル、父の戦場』『秘蔵写真200枚でたどるアジア・太平洋戦争』もご購入くださいました。 中国で行われた一帯一路のシンポジウムで、なぜかモンゴルの馬の色について発表された話、ロシアと中国の間で揺れ動くトルゴート(オイラート)など、あいかわらず面白いお話の数々でした。 研究フィールドがモンゴルということもあってか、マスターナラティブに対するオルタナティブを追究される方であると、あらためて感じました。 梅棹忠夫も、同じモンゴル研究者の先達であると同時に、〈日本の人文知の主旋律を作り上げたひとり〉という見方もできるかもしれません。人文学研究者は、無意識のうちに彼の圏域内にいるとも言えます。 先生が梅棹を追い求めるのは、敬意とともにその圏域の境界線を見極めようとしているからなのかもしれません。 多少こじつければ、小社の本の共通点も、この点にあるかもしれません。 昨日は上記の本に加えて『いかアサ』の話もしたのですが、アーサー王伝説はマスターナラティブがあるようでない、あるいはクレチアン・ド・トロワやマロリーの生み出した主旋律を常に再創造していき、あらゆるメロディやリズムが等しく乱立しているところが最大の魅力です。 語りの再創造・再構築はアニメやゲーム、漫画と親和性が強く、そこではたとえば「アーサー王は男」という自明視されていた物語すら通用しません。 あるいは、南洋で餓死した日本兵の日記を読むことや、陸軍所属の写真家が遺した未発表写真を集めることは、「戦争とはこういうものだ」という従来の教科書的な見方をずらすことができます。 過去に起こったことは変えることはできないけど、過去の見方(語り)は変えることができる、ということかもしれません。 一番最初に出した中国の少数民族の写真集『民族曼陀羅 中國大陸』が、漢民族という主要な語りに対するオルタナになっているのはいうまでもありません。 最新刊の早坂先生は、ご自身が昭和~平成のテレビドラマ界を作った主要な語り手のひとりでありながら、常に〈主流なるもの〉〈強いもの〉の裏や底にあるものを見つめ続け、独自のリズムを刻み続けた人です。

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