今日は午後から読書会。
総勢10名で、土門蘭さんの『戦争と五人の女』について話し合いました。
参加者は、著者1名、編集担当者1名、漫画家1名、美術家1名、歴史研究者1名、映画監督1名、大学院生1名、書店2名。
土門さんと柳下恭平さんの関係は、いいなあと思っているのです。
作品とは別の話だったので深掘りしなかったのですが、今回柳下さんが、
「土門さんと距離をとるようにしている。もちろん彼女の書くものはすべて編集したいと思うけど、いまは他の版元や人と関係を拡げていくのが大事だと思うから」
「土門さんはもっとポップなものを書いたほうが(作家としての戦略的に)メリットがある」
とおっしゃっていたことが印象的でした。
僕もよくそういうことを考えます。
むかしから。
たとえば著者プロフィールが、
岡田みずき
1978年生まれ。作家。主な著書に『大人の領分』(2018年)、『僕の平成史』(2020年)『浅い河』(2021年、以上、みずき書林)がある。
という人がいたとして、ひとつの版元からしか本が出ていないって、何となくかっこ悪いような気がしていました。
やっぱり講○社とか文藝△秋とか、そういった版元に散っているほうが、売れているというか、メジャーな感じがするように思っていました。
でも出版社を本当に我がこととして、自分のものとして考えてみたときに、ある著者の作品がぜんぶ同じ版元から出ていることって、むしろ幸福なことかもしれないとも思い始めています。
まあ、版元だから片思い的にこんなことを言っているんだと思いますが(笑)。
そして本当に誰かの複数の著作をすべて出すということは、現実的にはあまりないのだとも思いますが。
とはいえ、いまはもう、版元としてのブランド力アップとか、著者のメジャー度とか、そんなことにはあまり関心がないのです。
一緒に仕事をして、終わった後は満足と次に活かすための少しの反省があって、気づいたらお互いけっこう歳をとっていて、いくつかの本が手元にあるような、そういうのがいいなと思い始めています。
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