下北沢はBONUS TRACKで開催された日記祭に行ってきました。
といっても、午後の1時間ほどをぶらぶらしただけ。
あいかわらずシャレオツな空間です。
若くて本好きな人びとが放つ特有のオーラ(メディアはわかりやすく、「文系女子」「草食系男子」などという言い方をするのでしょう)。
そのようなある種のカルチャーのあり方が可視化されています。
そしてこういう空間に身を置くと、非モテ系・ボッチ系版元としての僕は、ちょっとした居心地の悪さも感じることになります。
たとえばBONUS TRACKを一方の端に置いて、もう一方の端に神保町ブックフェア的なものを配置するとしたら、小社はどのあたりに位置することになるでしょうか。
これはあくまで軽い冗談として書いているとあらかじめお断りしておきますが(笑)、ポップでオシャンティーで若い下北沢ブックカルチャーと、煮しめたような茶色っぽい配色を基調とした神保町書物文化があるとすれば、小社はどちらかというと神保町書物文化という全面的に漢字で表記される側に寄っているようです。残念ながら(笑)。
小社の刊行物の大半には、「戦争」「戦場」「社会学」「境界変動」「歴史実践」「反戦の技法」「帝国」といったタイトルがついていて、まあ、カルチャーと呼ぶより文化的と呼ぶほうが、ライトではなくヘヴィ、ポップではなくトラディショナル、と呼ぶほうがしっくりくるかもしれません。
とはいえ、だ。
なんとみずき書林は藤岡みなみさんのZINEを出しているのだ。
最近刊行した松本智秋さんの『旅をひとさじ』もある。
いかアサも、研究書とエンターテイメントのハイブリッドで異彩を放っている。
こういった本は、BONUS TRACKに代表される洗練された独立系書店に置いてあっても、何ら遜色ない。
(社会学や近現代史が洗練されていない、といいたいわけではありません。念のため。洗練された学問、などという言葉はほとんど語義矛盾であるという意味です)
むしろそこに込められた熱量と工夫は、そのなかでもかなりハイレベルにあると思う。
というわけで、あるときはポップな本を、あるときはトラディショナルな近現代史・社会学の本を。
ZINEも作れば『戦争社会学研究』と銘打った硬派なジャーナルも出す。
極小の総合出版を目指します。いまさらながら。
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