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  • 執筆者の写真みずき書林

忘れないこととやり続けること――昨日の補足

昨日書いたものを読み直してみて、うまく書けてないなあと思ったことがあるので補足。



細部を忘れてもかまわない、というのは生活者としてはそれでいいと思っています。

ただ、歴史研究としては、細部を徹底的に検証して書き残しておく必要があります。歴史の本には、細部が正確に描き込まれているべきです。公文書もいうまでもありません。

為政者の名前から具体的な政策、事件の推移、あらゆる細部を記録し検証して書き伝えないといけません。



あくまで普通の生活者として政治に向き合う場合は、個人的には、コミットしすぎないようにしたいと考えています。

なぜなら、先述のとおり、それはひどく疲れることになるからです。

そのための方法として、ほどよく忘れる、というのは精神の自衛のために必要なことではないかと思います。

もうひとつ加えれば、「政治について考えるときと考えないときをうまく切り替える」というのも実行したいことです。

生活のなかにべったり政治がこびりつくと(まさに今がそういう状態だと思いますが。ついでにいえば総力戦時下の銃後社会もそういう状態だったと思います)、気持ちがかなりしんどくなってきます。

最近お目にかかって取材したある方は「怒るのは一瞬、あとは動く」とおっしゃいました。

忘れることと、切り替えること。あくまで個人的には。



いっぽうで、研究者や歴史家や、そのことをきちんと考えようとする書き手は、それぞれの視点から深掘りし書き残そうとします。

そのときには、細部を記録することがきわめて大事です。

人びとの行いを、細部に至るまで歴史に刻みこみ、後世に伝えないといけません。

そういう学問に向かう意志は貴いと、かなり真剣に思います。

多少なりとも歴史に関わる仕事をする人間としては、その支えになれたらいいなと思っています。

そこでは逆に、徹底して忘れないこととやり続けることが大事になってきます。



昨日のテキストではその差異についてが舌足らずな気がしたので、自分の考えをまとめるために補足加筆。


毎日、ぐるぐると思考は巡りますね。


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