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  • 執筆者の写真みずき書林

悪い知らせ 8/18

抗がん剤の副作用で腸炎になって入院中です。

昨日胃カメラの検査を行い、それだけではないことがわかりました。

胃のがんがかなり大きくなっていました。


単なる抗がん剤の副作用による不調かと思っていたら、その裏でがんの本隊が動いていたということです。

やはりスキルスは甘くない。


この数ヶ月、体調はかなり安定していて元気でした。

造影CTをしても、がんの拡大は認められませんでした。

しかし月の裏側のような場所で、スキルスはじっとりと確実に勢力を拡げていたようです。去年の今頃に撮影した胃カメラの画像と今回の画像を並べて見せてくださったのですが、素人目にも胃の表面がおかしいのがよくわかりました。


状況は日々刻々と変わります。

これが現代医療と癌が斬り結ぶ最前線。ということなのでしょう。

すでに治療方法が確立され、治ることが保障されているような病気とは違い、対癌の医療行為に正解はなく、こうすれば良いという共通解はない。

患者ひとりひとりのコンディションによって細かい調整をしながら、いずれは死に向かうひとりひとりに現実と希望を植え続ける。

それは、(僕のような立場の者が口にしてはならないことかもしれませんが)じりじりと迫り来る巨大な壁を素手で押し返そうとする、狂おしいばかりに報われない行為のようにも見えます。

ただでさえ医療従事者は多忙ですが、とりわけがん専門医の激務は、入院してみるとよくわかります。本当に感謝しています。


今まで使っていた抗がん剤はもう使えません。ここからはセカンドラインになります。

第一の砦が焼け落ちた、というところでしょうか。


ひとまず、腸炎を治して退院することを考えます。

僕自身もまずは自宅まで撤退して、体制を整えないといけません。

悪いことはひとつずつ対応していきましょう。

まずは無事の退院。第二の砦に入ってがんの本隊に立ち向かうのはその後です。



ああしかし、つい最近まで、このままダラダラっと生きちゃうかもなんて思ってたんだった。けっこう調子が良くて、会う人たちにも「病気には見えないでしょ」なんて言ってたんだった。

でもがんが大きくなり、そのぶん時間が小さくなりました。時間はもうあまりないのかもしれない。

そのことを考えると、どうしても泣ける。





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