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執筆者の写真みずき書林

​映画を観てマーシャル人を応援――映画『タリナイ』緊急配信&トーク


マーシャル・エイド◇映画『タリナイ』緊急配信&トーク

が展開中です。(期間:2020/7/10~8/31)

期間中の映画鑑賞料金が米国在住のマーシャル人コミュニティ支援団体へ寄付されます。

詳細はこちらから。


この機会に、ぜひご覧ください。



関連して、期間中に小社オンラインショップから購入いただいた『マーシャル、父の戦場』(『タリナイ』監督大川史織さん編)の売上全額も寄付します。





マーシャルの人口流出は、近年とみに加速しているとのこと。

その多くがアメリカへ渡り、故郷に行ったことのないアメリカ在住マーシャル人もたくさんいるとのことです。

彼らはアメリカでコミュニティを作って暮らしていますが、いまコロナ禍がそのコミュニティを直撃しています。


上記のテキストに書いてありますが、アメリカのマーシャル人は人口比ではとても少ないにもかかわらず、かなりの死者・感染者を出しています。

その理由もいくつか挙げられていますが、

「数世代がひとつ屋根の下で暮らす住環境でソーシャル・ディスタンスの確保が難しい」「糖尿病や癌など重症化しやすい疾患を抱えている人が多い」

という2点にはとくに考えさせられました。


1点目は『タリナイ』にもその暮らしぶりが映されてます。

家族・一族が集まって暮らすというライフスタイルそのものが脅かされるというのは、実に痛ましいことです。

こういうふうに暮らしてきたマーシャル人コミュニティが、もしいまのアメリカで偏見や差別の対象になっていたとしても、まったく驚きではないのです。


2点目は、ごく大雑把に言ってしまえば、戦後のアメリカナイズされた食生活が糖尿病などの生活習慣病を生んでいるのだと思いますし、癌の発生率が高いことについては、ビキニ環礁、とひとこと言えば説明になるでしょう。

そもそも度重なる核実験によって故郷で暮らせなくなり、移住せざるをえなかった人たちも多くいたのだと思います。



そう考えてみると、アメリカのマーシャル人、というのは歴史的な存在です。

そしてそこにはアメリカだけでなく、日本も深く強く関わっています。

たとえば彼らが祖国を離れてワシントン州スポケーンなる街に根を下ろすまでの時間をさかのぼっていくと、まずアメリカが巨大なアクターとして現れ、1945年を境に、それより前は日本がとって代わります。

マーシャルは、近景にあるアメリカと日本からは見えにくくなってしまった、歴史の消失点のような存在かもしれません。

そのはるか遠くにあった消失点の存在が、コロナによって少しだけ見えるようになっています。



この機会に、なによりまず映画をご覧になってみてください。

そして本を手に取ってみてください。

消失点のありかが、さらにはっきりするはずです。



スポケーン(スポーカン)の近くにマーシャルがあるのは偶然なのか。

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