top of page
  • 執筆者の写真みずき書林

泣いてもいいよ


9月に病気のことがわかったとき、このブログにそのことを公表しました。

その前に、何人かには電話で直接伝え、何人かには個別にメールをしました。


ある人は、病気だと伝えた瞬間に、電話の向こうで声をあげて泣き始めました。

僕は反射的に、

「泣くな泣くな」

と小さく笑いながら言ったことを憶えています。


そのときは病気のことがわかったばかりで、僕はまだそのことで泣いたことがありませんでした。

告知を受けたときも、その夜も、はじめてがん専門の病院に行ったときも、僕は泣きませんでした。

その頃は泣くことを自分に許していなかった、といったほうが正確かもしれません。

だから僕は、僕のために泣いてくれている人の涙をとっさに避ける気持ちが働き、思わず知らず「泣くな泣くな」と口にしたのでした。



どういう心境の変化があったのか忘れましたが、それから9カ月が経って、今の僕は、自分に対しても他人に対しても、またこの病気に関してもそれ以外のあらゆることに対しても、「泣いてもいいよ」という気持ちになっています。


辛いことはもちろん、嬉しいことがあっても。

子どもはもちろん、大人になっても。

ほろほろと涙を流すのはもちろん、なりふり構わぬ号泣でも。泣いてもいいんだと、今は思っています。


誰かが泣いているとき、「泣くな」ということはもうありません。

だけど、泣いている人に何と声をかけていいかはいまだにわからないから、ただ黙っているだけでしょう。




今日は寺尾紗穂さんの新譜を聴きながら泣きました。

この人の声はどうしてこんなふうに、まるではりつめた弦が心にひっかかって震えるように響くのでしょうね。




最新記事

すべて表示

もう一度ちからを

ずいぶん更新が滞りました。 まだ長い文章を書く余力がありません。 ただ自宅に戻り、療養しています。 どうか見守ってください。 ふたたび仕事をしたり、みなと会ったりする力を取り戻せますように。

退院しています

昨日、退院して自宅に戻っています。 ただし体調は万全とはいかず、吐き気、お腹の張り、高熱に苦しんでいます。 せめてそのうちどれかひとつだけでも治ってくれるといいのですが。 昨日も今日も仕事を再開するなど本格的な再起動にはほど遠く、ただベッドで横になっていただけです。焦ってはいけないと言い聞かせつつ。

明日退院予定

今日退院予定でしたが、まだ病院にいます。 明日には退院予定です。 しかし体調は悪く、病状は一歩悪くなったという自覚があります。 吐き気とお腹の張りが慢性的にあり、苦しい。 点滴のほかに鼻とお腹からチューブが出ているから、見た目にもかなり痛々しいと思います。(次に僕に会う人は、引かないようにお願いします) 入院前のように普通に振る舞うことはもうできないかもしれません。長時間大きな声で喋ると吐きそうに

Comments


bottom of page