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  • 執筆者の写真みずき書林

〈特別寄稿〉ツナサンドと段ボール(林太郎さんのこと)

こんにちは。 みずき書林の岡田林太郎さんの知り合いの者です。 今回、一回だけブログに記事を書かせてもらうことになりました。 「ここは僕の裏庭だから、関係ない奴には書かせられない」と林太郎さんはほんとに嫌がってたんだけど、無理を言って載せてもらうことにしました。 林太郎さんは、しつこくお願いすれば、だいたいのことは聞いてくれる人です。 林太郎さんとの付き合いは、学生時代からだから、もうかれこれ20年以上になります。 20年。考えてみればすごくない? 最近はめったに会ってないんだけど、彼がみずき書林を立ち上げてからはたまにメッセンジャーなんかでやりとりしてて、このブログもちょいちょい覗いてます。毎日読むってわけじゃないけど、良い暇つぶしだよね。←ごめん林太郎さん。でも友だちのブログってそういうもんよ。 ここんとこ世間がこんな感じになっちゃって、私も在宅勤務になったんで、最近どうよなんてやりとりしてるうちに、1回だけ息抜きになんか書かせてよってことになりました。 なに書こうかな。 昔の思い出話とか書いてもいいかな? 大学のときに林太郎さんが女の子ともめてたときの話とか、酔っぱらったわたしを介抱してくれたときのこととか。 あのころふたりでオノ・ヨーコにハマってて、凹んでる林太郎さんに、ヨーコの詩にちなんでツナサンド作ってあげたのよね。ツナ缶をトーストに挟んだだけ。ぜんぜんおいしくなかった。料理上手の林太郎さんにあんなもの食べさせたと思うと、いまさら冷や汗が流れます。 逆にわたしが落ち込んで泥酔したときには、徹夜で付き合ってくれたのよね。大隈講堂の階段のとこで(笑)。寒がってたらコンビニから段ボールもらってきて即席の段ボールハウスに寝かしくれて。あのときの段ボールハウス、暖かかった。 ああ。こういうことばっか書くとあとで怒られそうだな。もうやめときます。 林太郎さんはまずいサンドイッチを文句も言わずに食べてくれたり、酔っ払いを梱包してくれたり、基本的にいい人です。 みずき書林で作った本も、たまにもらってます。でも歴史とかわたしにはちょっと縁遠い本だから、ぜんぶは読めてないのよね。←重ねてごめん。でもそんなもんよ。あ、でもZINEは読んだ。可愛くて賢くて、ちゃんと自分の足で歩いてる感じ。ああいうの林太郎さんっぽくなくていいと思う。←重ね重ねごめん。 でも本を見てると、良い人たちと仕事してるってのは伝わってくる。 まあ本を眺めるまでもなく、私は林太郎さん本人からしょっちゅう聞いてるんだけど。 正直、ひとりで出版社をやるって聞いたときにはちょっと心配だった。経営とかやれるのかなって。基本的にいい人だから。でもどうやらひとり出版社って、言うほどひとりじゃないみたいね。 古い友だちとしては、ちょっと嫉妬するくらい。 わたしは思うんだけど、結局のところ、喜びは実際に知ってるまわりの人と受け渡しあうしかないんじゃないかな。 こんなふうになってみてよくわかるんだけど、まったく知らない人はもちろん、会社や国みたいなシステムが、喜びをくれることって、たぶんないわ。うまくいって、安心とか安定とか、せいぜいそんなもん。うまくいって、ね。ヘタすりゃマスク2枚しかくれないから。 もちろん安心や安定だってじゅうぶん大切なことだし、それを提供するのは最低限かつ最高峰の仕事よ。それだけに心を砕こうってヒトが国のリーダーをすべきよね。つまり、こういうこと書くとバカみたいかもしれないけど、誠実ってことだけよ。ほんとは頭もよくなくっちゃ務まらないんだろうけど、それは少なくとも今は高望みかもしれないし。 誠実っていうとピュアすぎてバカみたいに聞こえるって、問題よね。 喜びをくれなんて贅沢はもう言わないわ。 昔はこういうことにすごく腹立ててたんだけど、最近はちょっと考えが変わってきたのよね。 もしうちの総理大臣と会うことがあったら、おおよしよし、精一杯がんばったつもりなのね。でももうやめときなよ。いい子だからもう手を放そうよって、頭をなでてやりたいくらい。で、ツナサンド食べさせて段ボールに寝かしつけてあげるの(笑)。 話を戻すと、やったーって笑いあったり、思い出してしみじみと微笑んだりってゆう、そういう喜びを分け合えるのは、身近な人だけ。 だから本当は、総理が来たとしても、おいしくないサンドイッチも段ボールのベッドもなし。そういうのは、わたしの身近な人にしかあげない。 総理はさ、奥さんと一緒に桜でも見ながら、もりそばかかけそば食べなよ。 だめだ、どうしてもそーゆう方向に話がいっちゃう(笑)。 もう一回話を戻すと、林太郎さんにはたぶん今、そういうふうに喜びをトスしあえる人がたくさんいるんだろうし、本を作るってのは、そういうことを分かち合える仕事なのかもねって、見てて思うわ。←本は読んでないけど。 こんなときじゃなくてもさ、でもこんなときだからこそ、私もね、誰かにとってそういう人間でありたいと思うわけ。


タイトルに(林太郎さんのこと)って書いたけど、あまり林太郎さんのキャラに触れなかったどころか、書かなくてもいい他人のことばっかり書いちゃいました。←重ね重ね重ねごめん。 (奈良田ことり/会社員)

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