武田一義さん『ペリリュー 楽園のゲルニカ』第8巻(白泉社)。
盛大なネタバレにならざるをえないので、内容については触れません。
ただ、ずっと読んできた読者にとっては、このカバーイラストは……。
この作品には、生存能力の高い人物が三人登場します。
リーダーである島田少尉。
個人主義者である小杉伍長。
仲間想いの吉敷くん。
8巻の段階で、すでに敗戦から1年が過ぎています。でも彼らは潜伏を続けています。
彼らにどんな〈戦後〉があるのか。
……と内容に踏み込みそうなのでこれ以上は書きませんが、ともあれ読み進めるのが苦しいと同時に、彼らがどうなっていくのか知りたくて終わってほしくない、という作品です。
なお僕は発売日に電子版で買っていたのですが、紙媒体だと、カバー表4のイラストとテキスト・カバーソデの米軍撮影の写真2枚・最終ページの次回予告(くわえて、三浦健太郎さんによる帯の推薦文)を見ることができます。
これらはkindle版にはなかったものです。
とくにカバーソデの進駐軍の写真の紹介は、作中とも密接にかかわるので、見られてよかったなと思います。
ついでに。
僕はこの作品はまもなくアニメ化されるのではないかと予想しています。
画が万人受けする見やすいもので、内容もアニメにする行為自体が野心的で話題性に富んだものだと思うのです。
田丸や吉敷がアニメとして動いている姿が、想像しやすい。
そして彼らが巻きこまれる運命は、予想がつかない。
アニメや映画向けだと思います。
ただそのときに、声だけがどうしてもうまく想像できないのです。
画のとおりの子どものような、キャラっぽい声はなんだか違う気がする。
でも実写映画のような野太いリアルな声でいいのかどうか……。
彼らはどんな声で喋るのか。
まあ、僕が気にすることではないけれど。
そんなことを妄想してしまいます。
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