早坂暁『この世の景色』のために、男鹿和雄さんが画を描き下ろしてくださいました……!
早坂先生とは共通の知り合いの方がいらっしゃって、その方のご紹介で、今回の本の装丁に画を描いてくださることになりました。
とても光栄なことで、なんと御礼を申し上げてよいやら、わかりません。
早坂先生の故郷、四国・松山市北条です。
鹿島から見た風景で、小さな漁船の連なりの向こうに、北条の灯りが光っています。
あの灯りのひとつが先生の実家なのかも、と奥様はおっしゃっています。
普通に立って見ているときの視線の高さです。
おだやかな海と、しっとりとした街の光と、雨上がりの夕雲が描かれています。
それは、早坂先生の文章にも通じる味わいのようです。
今回装丁を担当するブックデザイナーは、「早坂さんがあの世から見た、この世の景色のようだ」と評しました。
男鹿さんには『ウミガメと少年』という絵本があり、文章は野坂昭如。
野坂昭如は早坂先生とも親交があり、今回のエッセイ集の一編「瀬戸の海」にも登場します。
また男鹿さんは高畑勲さんを尊敬されていたとのこと。高畑さんは僕の遠縁にあたります。
早坂先生も高畑勲さんも野坂昭如ももういませんが、ちょっとずつ縁が重なって、今回の本に画を描いてくださることになりました。
早坂先生も喜んでおられると思います。
……しかし、『いかアサ』の山田南平先生しかり、カバーにイラストを使用したときの画家がいつも豪華すぎて、恐縮するしかありません……。
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