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  • 執筆者の写真みずき書林

真夜中の読書


最近、ちょっとしたことですぐ目が覚める。

そして、二度寝ができなくなりつつある。

昔は少々のことでは目覚めなかったし、ちょっと目が覚めてもすぐに眠り直せたのに。


ちょっと早めに夕食を終え、ソファで本など読んでいるうちにいつの間にかウトウトしてしまって気づけば12時。そこからあらためてベッドに入って寝ようとしてもまったく眠くならない。という日が今日で2日目。

夕食時に酒を飲むからすぐに眠くなる、と思いながらも、こればっかりはどうしようもない(昨夜はワイン、今夜は焼酎。量を飲んでいるわけではないが、調理中から飲み始めるので、飲酒時間が長い。せめて料理中に飲むのを控えるか。しかし、音楽をかけ料理しながら飲むのは実に楽しい。自制心の塊である僕はどんなに酔っていても外で羽目を外すことはないが、自宅だと歌って踊る。昨夜はKings of Leon とポークロースト。今夜はJohn Butler Trio と豚汁)。

まあ、ほんとは酒のせいじゃない。眠りが浅いのにはもっと別の主因があることはわかっている。ただそれを認めたくないだけだ(小声で言えば、加齢だ苦笑)。


というわけで、12時を回ったあたりで眼がばっちり冴えてしまい、眠れる気配はゼロ。

ベッドを出て居間のソファに寝転がり、ブランケットを羽織って読書。

堀田善衛、アーサー・ビナード、田辺聖子と節操のないラインナップを読破するも眼は冴えるばかりである。

昨夜も明け方まで寝られなかったし、もうあきらめるしかないか。

小学生の頃、たまに寝付けない夜があると、家中が寝静まっているのに自分ひとりだけ目覚めているのが不安だったこと。学生時代は完全に昼夜逆転の爛れた生活をしてて、しかも池波正太郎を愛読していた時期だったため、ド深夜にがんもどきと大根の煮物なんか作ったりしてたこと。そんなよしなしごとなどを思い出しつつ、ダイニングテーブルでこんなものを書く。

昔から、飲む読む聴くのどれかがあれば、ひとりでいて退屈したことはないが、このブログもいい暇つぶしではある。



「“歴史書”と“歴史そのもの”と“歴史的体験”というのは別のものだと考えねばならない。歴史は、たとえば戦争の歴史などを見ればすぐわかることだが、運がよかったとか、運が悪かったとか、そういう偶然の要素に満ち満ちているものである。が、しかしこれを歴史書として書く場合には、その偶然までも必然化しなければならなくなってくる。したがって、おもしろ味が減ってくる。(中略)それと実態とは別のところにあるだろうと、私は思っている」


3月10日の東京大空襲を経験し、敗戦直後の混乱期に上海にいて、ベトナム戦争中には脱走した米兵を匿い、晩年はスペインで暮らした堀田善衛の文章。

「歴史というものを水の流れのように、過去から現在を通って未来へ流れていく、一直線のものとして考えることはできない」

「歴史の中に生きた人間像が、真に活き活きとしてくるのは、そこに人間の興味ある性格や尊敬すべき生活、そしてときにはちょっとあきれるほどの欲望をも含む人物の実在を知ることからはじめられるべき、と思うのだが」とも書いている。

『路上の人』を筆頭に、以前から最も好きな作家のひとりだが、やはりいい。信頼感がある。

いまの僕は“歴史的体験”というものに関心がある。


というところで3時40分。

夜明けはまだか。

読書に戻る。



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