• みずき書林

石原俊先生より『硫黄島』をご恵投いただきました


石原俊先生の新著『硫黄島――国策に翻弄された130年』(中公新書)をお送りいただきました。


前職のときに先生に書いていただいた論文がベースになっている部分があり、その関係でお送りいただき「あとがき」にも名前を挙げてくださっています。


「あとがき」では、2009年のものを最古として、元になった論文として7本が挙げられています。そしてそれらの担当者の名前を肩書とともに挙げてくださっているのですが、「元○○、現□□」という方のなんと多いことか。

たとえば僕の場合は(元勉誠出版、現みずき書林)となるわけですが、7人の特集責任者/担当編集者のうち4人が「元○○、現□□」です。しかも残りの3名の方のうちふたりは大学所属で学会・専門誌の編集委員です。つまり出版社所属の5人のうち、実に4人が「元○○、現□□」なのです。


入植・開発~戦争~米軍管理~自衛隊管理とまさに「国策に翻弄された」島を詳述する本編とはかかわりのないことながら、出版に翻弄される私たちをわかりやすく可視化するものとして、苦笑とともに拝見しました。



なお「あとがき」の冒頭には、


「本書では、証言者がたった一人になってしまった方へのインタビュー、すでに世を去った方へのインタビュー、一点~数点の資料にしか書かれていない記録などを、「史料」から排除していない。(中略)本書の目的は、限られた記録や語りを手がかりに、近現代の日本とアジア太平洋世界のなかで激動ともいえる一三〇年をくぐり抜けてきた、島の民の経験を再構成することであった。こうした歴史記述においては、語りや記録の狭義の事実性だけでなく、それらの迫真性もまた、重要な「根拠」となることを忘れてはならない」


という一節があります。


どんどん希少になりつつある歴史体験の継承を考えるときに、迫真性も大切な根拠となりうるという点、とても興味深く、考えさせられ、また勇気づけられもするお考えです。

「迫真性」とは個人的に換言すれば、おそらく「想像を誘発する力」ということなのだろうかと思います。



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