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  • 執筆者の写真みずき書林

遠く離れた同じ景色

画面の左手前に砂浜が映っていて、そこにゆったりとした波が寄せては返します。

砂浜は湾曲しながら遠くまで続いていて、海を迂回するように右に細く伸びています。伸びた先は画面の右奥、海の向こうに、遥かに島が続いています。

空には動かない雲が幾層にも重なっています。

波の音だけ聞こえます。


ともにわずか数十秒の、とてもよく似た景色を映したふたつの動画を、同じ日にもらいました。

ひとつは夕陽で、ひとつは朝日の時間帯とのこと。

ひとつはサハリンの浜辺で、もうひとつはマーシャルの海辺。

サハリンの水平線は空との境界が曖昧に霞んでいて、マーシャルのそれはまさに定規で引いたようにくっきりとまっすぐです。

いわれてみれば、サハリンの浜辺は寒そうに見え、マーシャルの日の出は温かそうに見えます。

ふたつの場所は、すごく離れています。

構図は似ているけれど、ほんとうはぜんぜん違うのでしょう。



でも太陽は同じ太陽で、その光を反射して薄いブルーから濃い黒まであらゆるグラデーションに刻々と色を変えていく海も、同じひと続きの海なんだなと――まあ今さらながらに――ぼんやりと思いました。


画像を載せられればいいんだけどね。

もらいものの動画だからアップはできません。


行ったことはないし、今生で実際に見ることが叶うかもわからない場所ですが。

こういう景色を、直に生で網膜に映したことがあって、それが脳なのか心臓なのか、身体の奥に直結している人もいるのだなと、交互に繰り返し見たのでした。


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