小沢信男さんとアーサー・ビナードさんの対談イベント@シアターX。
ビナードさんは、昨年の今頃『もしも、詩があったら』を読んで、それ以来気になっていました。
ガダルカナル島で創られた詩と、その戦いについて現地を取材したときの話。
515、226、911(そしてもちろん311)など、日付を事件名にするときには、為政者にとって不都合な側面を、無色透明な日付で糊塗しようという意図があるのではないかという指摘。
第五福竜丸の乗組員は単なるかわいそうな被害者ではなく、米軍の核実験という絶対的な極秘作戦を目撃しながら、たくみな操船・無線を使わないという判断・灰を集めて保管するという行動でそこから生還した冷静な人たちでもあったこと。
などなど、興味深い話でした。
さりげないタイミングで話題を変え、的確に短く質問し、基本的にはビナードさんの語りを引き出すという、小沢さんの省エネ話術も見ていて楽しいものでした。
さすがの91歳です。
なお、対談は2時間30分に及びましたが、その間にビナードさんが口にした外来語は、たぶん3つだけでした。
途中からそのことが気になって数えはじめたので、もしかしたら冒頭30分くらいの間にはもう少し喋っていたかもしれませんが、少なくとも僕が気づいたうちでは、固有名詞を除けば、彼が言った英語由来のことばはたった3つ(ネットワーク・リマインド・ターニングポイント)だけ。
どこまで意識していたのかはわかりませんが、日本人以上に日本人らしいことばづかいの人でした。
本とは違って、けっこう毒舌なのも楽しかった。
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