• みずき書林

3月10日

今日3月10日は、いわゆる「東京大空襲」の日です。


午後は、知り合いに会うために、門前仲町に行っていました。

76年前はまさに焼け野原になったところで、8日後には、富岡八幡宮に昭和天皇が視察に来ていたのでした。


かつて作った『東京空襲写真集』には、たくさんの写真を載せて、ピカピカの軍服を着て門仲付近を歩く昭和帝の写真も何枚かありました。


その富岡八幡と深川不動の前の商店街。

ぼくと知人は怪しげなものが注がれたグラスを傍らに、昼から数時間ばかり話をしたのでした。


ちょうど1年ほど前には、東京大空襲をテーマに作品を作ろうという写真家と、体験者の方を訊ねました。

直後にコロナが大きな問題となり、残念ながら作品作りは思うように進んでいないのですが(宇佐美さん、元気ですか?)、その女性の話はとても印象的なものでした。


その女性のお父様はアメリカの大学を卒業して、クリスチャンで慈善事業家でもあり、当時の日本人としてはかなり進歩的な方だったとのこと。


でも3月10日に、家族は自分と兄以外はみな亡くなります。

門前仲町からも遠くない菊川橋で、大量の死体が積み重なっているのを見た瞬間に、彼女は、

「神様はいない」

と確信したと言っていました。



最新記事

すべて表示

石原吉郎とことば――ウェビナー雑感②

4月18日(日)のウェビナー 「戦争体験継承のダイナミックス―新刊『なぜ戦争体験を継承するのか』と対話する」 当日、おそらく一番の焦点のひとつであった、平和博物館と遊就館について、ひとつ前の記事に長々と感想を書きました。 当日の質疑応答ではそのあたりに議論が集中したのですが、それ以外にちょっと備忘録として残しておきたいことがあるので、重ねて書きます。 このエントリーでちょこっと書いておきたいのは、

私たちの現在地の内と外――ウェビナー雑感①

この週末、4月18日(日)に、ウェビナー 「戦争体験継承のダイナミックス―新刊『なぜ戦争体験を継承するのか』と対話する」 が開催されました。 小社の刊行物を中心にしたセミナーが開催されたこと(参加者もかなり多かったとのことです)、大変光栄なことでした。 以下に、本書の編集担当としての若干の感想を書いておきます。 僕は編集担当者ではありますが、気持ちとしては、非アカデミシャンの一市民という感覚で視聴