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  • 執筆者の写真みずき書林

戦争孤児

金曜日。



写真家の宇佐美さんと、東京大空襲で戦争孤児となった方に会いに行きました。

調布市に住む、85歳の女性。



戦前にアメリカの大学を出て、弁護士でクリスチャンで、自宅の裏に別棟を経てて仕事の傍ら福祉事業をしていた父親。

37年には反戦的な演説を行ったことで、4か月間の弁護士資格のはく奪も受けています。

平塚らいてうのところに出入りしていた母親。

一番下の当時6歳だった弟。



そんな家族を3月10日に失い、兄とともに戦災孤児になります。



この方との交流は始まったばかりですが、実に矍鑠としていて明晰な話しぶりです。

昨日は3時間ほどの対話でしたが、両親を失い、孤児としてほんとうに辛い時期もあったとおっしゃっていました。

でも最後に、

「私は自分のことが好きよ」

とおっしゃっていたのが、強く清々しく印象に残りました。



もうひとつ。

お父様の影響で信仰はありますかと訊いたときに。

これはいままで誰にも言っていないけれど、と前置きして、

「私はあの日、菊川橋で天井ほどの高さまで積み上がった真っ黒い死体の山を見た。そのときに、気づいたの。神様はいないって」

とおっしゃいました。

信じられる神様がいたらずいぶん楽だったと思うけど、というため息交じりの言葉が続きました。




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