書店向けFAX講習会に参加してきました。
以前から何度か参加して、既知のことも多かったのですが、こういう機会にほかの版元さんのチラシをあらためて見ると、いろいろ細かい点で学ぶことも多くあります。
わかっているつもりでも、ついついスルーしてしまっていることもたくさんありますし。
備忘録として、FAXチラシの注意点をまとめておきます。
・前提:FAX送信される以上、制作した原稿どおりの見え方をするわけではない。
つまり、相手が見るものは、自分が見ているものよりも必ず劣化している。
〈全体〉
1.ひとはZ字で見る。よって、左上>右上>左下>右下に重要情報を配置
2.文字の大きさ・フォントなどでとにかくメリハリをつける。だらっとテキストを流さない
3.上部に宛先(担当者)と書名、下部に注文短冊。真ん中を自由にレイアウト
4.送信先のFAXを大きく。電話番号はサブ的な扱いで
5.シリーズものや定期刊行物は、毎回レイアウトを統一したほうが、先方の印象に残りやすい
〈文字〉
1.最初に目立たせるべきは「書名」「キャッチコピー」「著者名(有名な場合)」
2.次が書誌情報(とくに値段)と刊行時期
3.説明文や目次はなるべく簡潔に。文字数は最低でも10Pはあったほうがいい
4.小さな文字は明朝をさけ、ゴチのほうが見やすい。
〈図版〉
1.中間色(グレー)は使わない。白と黒で制作する
2.本のチラシなので、図版を使わないのは難しい場合が多い。その場合は中間色をなるべく配してメリハリのある色調に
3.文字を図版にかぶせない。被らせる場合は、地色が暗い場合は白抜き文字+スミ枠にするなど、文字色と背景色のコントラストを強く
4.書影はともかく、カット的な図版は使用しないでいい。
おそらく、一度自分あてにFAXしてみて、仕上がりをチェックしてみるのがいいのだと思います。
制作時は明朝のほうがよく見えても、文字がかすれたり、図版は真っ黒につぶれていて、結局自己満足でしかなかった……ということもありえますので。
・FAXという荒れざるをえない表現方法で
・情報を過不足なく簡潔に伝える
のが重要なので、原稿段階でのカッコよさやデザインにこだわりすぎると、本末転倒になりかねない、ということでしょうね。
そういう意味では、原稿をそのまま見せられる書店営業用の手持ちチラシと、送受信をかませるFAX用のチラシは、細かい点で仕様を変えておくべきなのかもしれません。
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