A5判並製・カバー装・縦組・320頁
定価:本体3200円+税
ISBN:978-4-909710-24-6 C3030
2022年6月刊行
ジャンル:社会学・戦争・軍事
装丁:宗利淳一

戦争社会学研究会 編

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こんにち、〈戦争〉と〈文化〉はどのように結びつきうるのか。
今号のふたつの特集に共通するのは、その現代性である。
いま、われわれの平和観・戦争観はどのような地平に立っているのか。
この先、体験者なき時代にそれを語ることには、どのような意味と困難があるのか。

内容紹介

〈特集1 ミリタリー・カルチャー研究の可能性を考える〉では「戦争」と「軍事組織」と「文化」の関係を研究することの今日的な意味を考える。『ミリタリー・カルチャー研究』(青弓社、二〇二〇年)は、大規模かつ詳細な社会学的調査にもとづき、戦争・軍事と日本の文化・社会との関係をさまざまな視点から考察し、なおかつそれを専門家ではない読者にもわかりやすく提示した。同書を手掛かりに、戦争観や平和観、あるいは、戦争や軍事に結びついた「趣味」的な文化が現在の日本でどのように絡み合いながら形成されているのかを考究する。

〈特集2 戦争体験継承の媒介者たち――ポスト体験時代の継承を考える〉では、現在そして過去における継承やそこに関わる人びとの営為に目を向けることで、〈戦争体験継承〉の可能性を探る。体験を直接伝える人びとがますます減少しつつあるなか、戦争体験の体験者と非体験者の間をつなぐ役割を持つ〈媒介者〉に注目し、体験なき継承のかたちを未来に拓く。

目 次

〈特集1 ミリタリー・カルチャー研究の可能性を考える〉
シンポジウム(青木深・吉田純・高橋由典・永冨真梨・須藤遙子・山本昭宏)
大会基調講演 戦争研究における「文化」という着想をめぐって(高橋三郎)

〈特集2 戦争体験継承の媒介者たち――ポスト体験時代の継承を考える〉
〈戦争体験継承〉の未来を探る――特集にあたって(根本雅也)
戦争体験/記憶の継承における他者との向き合い方――東京大空襲に関する調査の経験から(木村豊)
幼児期に被爆を体験した人の継承実践――生活史上の出来事の蓄積と紙芝居というメディアの特徴(深谷直弘)
歴史実践の越境性――消え行く媒介者としての趣味人コレクターの倫理(清水亮)
「届けてくれてありがとう」――佐藤冨五郎日記を託された戦友をめぐる歴史実践(大川史織)
記憶をつなぐ船・第五福竜丸――被ばく者大石又七との協働を通して(市田真理)
戦争体験の継承はどこにあるのか――特別展「8月6日」を振り返って(兼清順子)
〈環礁モデル〉試論――〈バトンリレー・モデル〉に替わるポスト体験時代のメタファー(岡田林太郎)

〈投稿論文〉
三八豪雪と自衛隊――一九六〇年代の自衛隊の印象に関する一考察(中原雅人)
軽音楽による南方文化工作の構想と実態――東宝映画『音楽大進軍』(一九四三年)の制作過程を手がかりに(福田祐司)

 

〈書評論文〉
海外戦没者と遺族を隔てる政治外交の壁――浜井和史『戦没者遺骨収集と戦後日本』(田中悟)
戦争社会学と宗教研究の架橋のために――島薗進・大谷栄一・末木文美士・西村明編『近代日本宗教史 第4巻 戦争の時代――昭和初期~敗戦』『近代日本宗教史 第5巻 敗戦から高度成長へ 敗戦~昭和中期』(宮部峻)
「政治社会史」という可能性とその中心――吉田裕編『戦争と軍隊の政治社会史』(野上元)

 

〈書評〉
創作特攻文学からポスト体験時代を考える――井上義和『特攻文学論』(角田燎)
日本型「民主主義」のゆくえ――山本昭宏『戦後民主主義――現代日本を創った思想と文化』(根本雅也)
戦争体験を「創り、伝える」――蘭信三、小倉康嗣、今野日出晴編『なぜ戦争体験を継承するのか――ポスト体験時代の歴史実践』(四條知恵)
多様な女性を可視化するとは――シンシア・エンロー著、望戸愛果訳『バナナ・ビーチ・軍事基地――国際政治をジェンダーで読み解く』(福浦厚子)
原爆報道の国際比較研究、その画期的達成――井上泰浩編『世界は広島をどう理解しているか――原爆七五年の五五か国・地域の報道』(山本昭宏)
ドイツと日本、その未来をつなぐ研究として――伊藤智央『市民性と日本の軍国主義 一九三七年から一九四〇年における言説と、政治的意思決定過程へのその影響』(ティノ・シェルツ/柳原伸洋訳)

 

〈テーマ別分野動向〉
ドイツ語圏における空襲研究の動向(柳原伸洋)

 

〈追悼文〉
森岡清美先生に感謝を込めて(青木秀男)

 

〈編集後記〉(亘明志)

著者プロフィール

戦争社会学研究会
戦争と人間の社会学的研究を進めるべく、社会学、歴史学、人類学等、関連諸学の有志によって設立された全国規模の研究会。故・孝本貢(明治大学教授)、青木秀男(社会理論・動態研究所所長)の呼びかけにより2009年5月16日に発足し、以後、年次大会をはじめ定期的に研究交流活動を行っている。

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