会社を立ち上げるときに、プリンタを買いました。
そのときに一緒にA4とB4の用紙を、それぞれ500枚×5梱包ずつ用意しました。
あれから5カ月弱が経ち、どうにかこうにか4冊の本を刊行しました。
その結果、いま手元には、A4用紙が1梱包と半分、B4用紙が4梱包残っています。
4冊の総ページ数が約1200頁、執筆者総数が50人程度ということを考えると、出版業界の宿痾である森林資源への負荷については、まずまず何とか許容範囲というあたりではないかと思っています。
とくに2冊目の『戦争社会学研究 戦争映画の社会学』(A5判並製・304頁)では、著者校正においてほぼ完全なペーパーレス化を実現できました。
ワード上で原稿整理をしたうえで(なお、手書き原稿はゼロ)、
組版会社―小社―著者
という流れを初校・再校と2往復したわけですが、すべての流れにおいてゲラはpdfで受け渡ししました。
執筆者のなかには、送信したpdfを手元でプリントアウトして、赤字の入った箇所のみをデータ化して戻してくださる人もいましたので、
小社←著者
の流れは完全にペーパーレス化というわけにはいきませんでしたが、少なくともそれ以外の工程は完全に紙を使わないで校正を完了させることができたと思います。
上記の著者から小社への流れにしても、プリントアウトをスキャンするケースはあったものの、データでのやりとりは100%実現できたので、郵送でのやりとりはまったく生じませんでしたし。
完全データ校正がどの程度浸透しているのか、業界のアベレージはわかりません。作っている本のタイプによっても違うでしょう。しかし20人の執筆者全員が足並みをそろえて、完全にデータでやりとりできたことは、けっこう嬉しいことでした。
やはりこれは、
1.執筆陣の年齢が比較的若く、データでの校正に抵抗がない
2.組版担当者がpdfの校正機能やメモ機能に柔軟に対応できる
という要素が揃っていたからできたことだと思います。
もちろん、とはいえペーパー上で校正したほうがやりやすい面はあると思うので、執筆者や組版担当者に負担や面倒をかけてしまった面はあるかもしれません。
しかし、ペーパーレス校正が実現できたことは、資源面でエコというだけではなく、版元の作業面・コスト面でもけっこうありがたいことでした。
郵送の準備というのもなかなか細かく時間のかかるものですし、紙代・印刷代・往復の郵送代も、ひとつひとつはささいなことですが、積もり積もるとけっこうなことになりますから。
ちなみに、FAXもインターネットFAXにして送受信はpdf。
プリントアウトするのはほんとうに必要なものだけにしています。
わが社のレギュラーメンバーは、ノートパソコンとポケットWi-Fiとスマホ。
最近はこれだけをバックパックに入れて移動することが多いです。どこであれみずき書林をはじめられます。
自宅で留守番のプリンタは準レギュラーという感じ。
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