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執筆者の写真みずき書林

勇敢と恐怖

※今日もまたしても病気のことです。
「そういう話はちょっと……」という方は飛ばしてください。
でも、いまの僕にとっては最大の関心事のひとつです。
いつもこのブログを覗いてくださる方々を心配させるようなことは書くべきではないのかもしれません。
でも、記録として残しておきたいのです。
(それを記録することが将来何の役に立つのかは知りません。ただ、なるべく正直に書いておきたいと思います)


9時に病院着。

9:30からCT。10:30から胃の内視鏡。

内視鏡は鎮静剤を打ったので、ちょっと休んで薬が切れるのを待ってから、12時からの診察のため待合室へ。

検査は実にスムーズに進む。


でも、ここからが長かった。

12時からの予定が、実際には13時に診察室に入れたのは、まあ想定済み。待合室はすごい人だし、ある程度の大きさの病院であればこれぐらいのずれは、我慢しないといけない。

しかしその後、13:45くらいといわれていた最先端の遺伝子検査を説明してもらうための追加診察が、待てど暮らせど呼ばれない。

16時になった時点でさすがに受付に問い合わせてみると、説明担当の医師の伝達ミス的なことがあったみたい。

その後、遺伝子検査担当の先生が現れて説明して下さり、全部終わったのは17時。

あわせて20分程度の診察のために、5時間ほど待合室にいたことになる。


ものすごく疲れる。

先生方は非常に忙しそうだし、多少待つのは仕方がない。

それに正直、ここで腹を立てたり嫌味を言ってみたところでどうなるものでもない。どころか、こちらは患者の立場の悲しさで、お医者様に対して何か言って心証を悪くしたらどうしようという気持ちもある。


終わったらあたりは暗くなっていて、小雨まで降っている。

家に帰ると、ぐったりしてしまう。

一日が(おそらくは貴重な一日が)無為に過ぎてしまったような気がする。

もちろん、無為ではない。通院は必要なことだし、CTの結果、すでに見つかっている以上の病変はなかったとのこと。それはそれで、せめてものいいニュースだ。

5時間近く読書できたのだから、よしと考えたい。


しかし、病院の待合室の椅子に5時間も座っていると、一体じぶんは何をしているんだろうという気になってくる。

じぶんは何をしているんだろう。

この先何ができるんだろう。


考えないようにしていた、いつまで・どんなふうに、という〈そのとき〉のことを考えてしまう。

泣けてくる。

いままでそんなふうに考えたことはなかったけど、自分の体が愛おしくてしかたがない。

ああ。だめだ。こうして書いているうちにも涙がにじんでくる。


僕はまだそのときのことなんて考えたくない。

そういうことに向き合う用意ができていない。

もしかしたらそんな用意が整うことはないのかもしれない。


ラ・ロシュフコーは「太陽と死はまっすぐ見つめることはできない」と言った。

と衒学的なことを書いてみるが、ぜ~んぜん慰めにもならない。

そんな悟ったような格言なんて、いまは何の役にも立たない。



勇敢でありたいと、本気で思っている。

でも今日の僕はちょっとした時間配分の乱れがきっかけで、すっかりメンタルをやられ、恐怖でいっぱいになっている。

矛盾しているし、整合性も一貫性もない。

でもどうしようもない。

この混乱した思考をそのまま受け入れないと、とてもやっていけないという予感がある。


だめだ。今日は寝る。

うまく眠れるといいんだが。


*

引き続き、たくさんの人からメッセージをいただいています。

返信するのが遅くなっていて申し訳ありません。

少しずつ返信していきます。

そして会える人には会いたいと思います。

こんな状況ですが、もうね、会えるなら会いたいんだ。



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