アメリカのテキサス大学出版局から、
『Flash of Light, Wall of Fire』
が刊行されました。
サブタイトルは
Japanese Photographs Documenting the Atomic Bombings of Hiroshima and Nagasaki
日本人の撮影者が撮った広島と長崎の原爆投下後の写真を収めた写真集です。
A4判変型・256頁。
50ドルということなので、けっこう高額です。
この本の元になっているのは、前職で編集した、
『決定版 広島原爆写真集』『決定版 長崎原爆写真集』
という2冊の写真集です。
テキサス大学版はこの日本版の2冊を元にしてそこから写真を選定し、編者だった「「反核」写真運動」の小松さんと新藤さんが編集に関わっています。
僕も若干の手伝いをしました。
テキサス本はすでに初版を売り切り2刷を制作中とか。
アメリカでもこういう写真集が刊行され、注目されるようになったのですね。
原爆投下必要論がなお主流を占めるとはいえ、若い世代では違う意見をもった人も生まれつつあると、この8月も報道がありました。
「原爆投下が戦争終結を早め、結果的に多くの人の命を救った」というロジックの下で、つまりあのきのこ雲の下で、そしてそこから長年にわたって、実際にはなにが起こっていたのか。
こういう写真が日米にあることで、想像して対話するツールになればいいなと思います。
写真のセレクトについて日本版と比較してみるのも面白い見方です。
たんに紙幅の都合というだけでなく、こういう写真をアメリカ人に(原爆についてはじめて具体的に知ろうとする人に)伝えるときに、どういう取捨選択がなされたかも興味深いことでした。
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