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  • 執筆者の写真みずき書林

宇宙人のもてなし方


あなたの目の前に不意に宇宙人が現れます。

そいつははじめて地球に観光に来た宇宙人で、あなたを代表的地球人と見込んで、2時間ほど地球観光の案内をしてくれないかと頼んできます。

宇宙人はUFOに乗っているので、世界中どこでも一瞬で移動できます。

感覚変換機も持っているので、我々が感じる五感をそのまま感じることができます。

さてあなたは、どこに連れていき、何を見せ、何を食べさせ、何を聞かせ、どんな体験をさせますか?


という問いを飲み会などで振ってみるのが好きで、ここ数年、機会があればいろんな人に話を聞いてみています。

(回答には即興性が大事なので、ほどよく酔ったあたりが一番面白い答えが出てくるようです)


宇宙人がやってきた星を眺めながら、地球人がそこにどんな神話やストーリーを作ってきたか、星座の物語を聞かせたいといった人がいました。

赤ちゃんが生まれる瞬間と、老人が死ぬ瞬間を見せるといった人もいました。

もしかしたら宇宙人はげきおこするかもしれないけど、肉や魚を食べさせて、我々は動物を殺して生きていることを知ってもらうという人もいました。

水平線を見せる、エアーズロックに連れていくなど、地球の自然を見せたいという人もいました。

とりあえず最初の10分で吉野家でファストフードを食べさせ、口に合わないようだったら自分は適任ではないので案内役を辞退する、と言った人もいます。

日本ならたとえば杉並区下井草やら練馬区東大泉やら、なんでもない町に連れて行って、そこでぼ~っと往来を眺める。それを時間の許す限り世界中で繰り返す、という意見もありました。

いや、はじめて地球に来たんだから、はじめて行く外国旅行と一緒で、そんなマニアックな押し付けはよくない。ここはピラミッドやら万里の長城やらグランドキャニオンやらサン・ピエトロやら、ベタな観光地を厳選すべきという意見もあります。


ロマンチックだったり現実的だったり、人間の生物学的な部分に着目したり文化的なところを強調したり、地球環境に注目したりと、回答者のそれぞれの個性が出てなかなか面白いものです。


うまく話が転がると、

「人間ってなんだ」

「日本・アメリカ・アジア・ヨーロッパといった地域性や国を相対化する、地球文化みたいなものってあるのか」

「我々がふだん自明のこととしているものの見方を異化することはできるか」

といった、ほどよく真面目でほどよく放言が許される――つまりきわめて飲み会的な、楽しい時間を過ごすことができます。


素敵な宇宙人のもてなし方を知っていたら、ぜひ教えてください。


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