• みずき書林

思考実験としてのメンバー募集(上)


いまはまだ、ひとりでやるのが楽しくてしかたがない時期です。

なんでも自分ひとりで決められて、対人関係のストレスがまったくなくて、目線を100%外に向けていられる今のかたちが、とても性に合っているし面白い。

また、資金的にもスペース的にも、人を雇う余裕はありません。


しかしいずれは、また誰かと一緒に働くのもいいのかなと思います。

本当に少ない人数でいいんです。

少ないながらもずっと一緒に働けるような関係を築こうとすることも、今後の面白さの一要素になるかもしれません。

一緒になって「この企画面白いヤバい」「お金ないヤバい」とあらゆるヤバさを、同じ興奮と同じ切迫感で共有できるような相手がいれば。


以下では、(今の段階では)純粋な〈もしもトーク〉として、つまり理想論として、新しいメンバーと一緒に働くということを考えてみようと思います。


一応前提を書いておくと、僕は前職で最後の6年間ほど、雇われ社長をやっていたことがあります。

入社して10年が経ったときに、大人の事情と子どもっぽい思惑が縒りあわさって、ひとまず僕がその肩書を預かることになりました。

その6年間の社長業の最大の関心事は、やはり人事でした。

先代の創業者が会長として健在で、先輩社員も何人かいて、僕がやるんだったら彼がやったっていいはずだと思える同期がいて、新しく採用した人たちも含めて20人くらいの社員がいて、そんな状況でいちおう社長の肩書をくっつけて、ベターな組織を築くにはどうすればいいか。

根底の部分でもっとも大事だと思っていて、それゆえにもっとも考えこんだのは、やはり人事でした。

いま思えば稀有な勉強をさせてもらったと思えますが、そのころはけっこうしんどいと感じることもありました。いろいろ悩んだ挙句、僕はひとり出版社になりました。

僕がそういう選択をすることになった要因はいくつかあって、前向きな理由もたくさんあって、簡単にはまとめられませんが、そのなかにいささかの「人事疲れ」があったのは否定できません。


そういうことを踏まえて。

もし、次に誰かと一緒に働くとすれば、どういうかたちで臨んでいくか。

先に理想のかたちを書いてしまうと、


・自分も含めて3~4人

・肩書なし

・部署なし

・社屋なし


というシステムでやってみたいですね。

先述のように、いまはまだ実現可能なことではないし実現させるつもりもないのでナイーブなことを書きますが、僕が求めているのは、仕事をしている限りずっと続く関係です。

そして、雇う/雇われる、払う/払われるというかたちではない関係です。


それがみずき書林であるのなら、運営的なリーダーはどうしても僕にならざるをえないでしょう。

でも、もし僕がいま考えているようなことを共有できる人がいるなら、その人の作ったチームに僕が参加する、というかたちでも別にかまわないとすら思います。

いずれにせよ、何かのときに責任をとるポジションとしてのリーダーは必要ですが、僕は従来的な意味での上司ではありたくないし、誰かにとって雇用側やあまつさえ資本家などといった関係を結びたいとは思いません。

(資本家……書いていてバカバカしくなってきますが、会社を所有する=資本家だと思っている人は、いまだにいます。一度ひとりで出版社を作ってみるといい。これはネクタイ締めて看板掲げて椅子に座って……という営為ではなく、どちらかというと、ベニヤ板とロープで樹の上に秘密基地を作るのに近い行いです)


これをメンバーの側から見るなら、自分が進めている企画については、誰もがリーダーとして動くことになるでしょう。そのときには他のメンバーはサポートにまわり、ひとつの企画ごとに役割を交換し合いながら進めていくことになるでしょう。

大雑把でありきたりな言い方になりますが、モノを作ってそれを売って、出来る限り楽しく暮らしていくことを、みんなが「自分ごと」として受け止めていくことになるでしょう。


(続く)

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