新社名を決めたのは、3月の頭頃でした。
あまり奇を衒わずにシンプルに、
みずき書林
にしました。
「みずき」というのは、僕がもし女の子だったら両親がつけるはずだった名前です。
40年前の3月に、僕はボストンで産まれました。
予定日より1ケ月以上早い出産で、産まれたときには肺から出血していて、危険な状態だったとのことです。
(早産で3月が誕生日になったことは、考えてみれば僕の人生に決定的な影響を与えていると思います。もし予定通り4月以降になっていれば学年が変わり、出会う相手や経験もまったく異なるものになったはずです)
異常に早く産まれたため、連絡を受けてタクシーに乗って病院に向かっている時点で、父親はまだ名前を決めていませんでした。
タクシーの窓から花水木の並木が見えて、父は女の子だったら「みずき」にしようと思ったらしいです。
それで「みずき書店」にしようと考えたのですが、そのことを前職の人たちに発表したところ、ある先輩が「書林にすれば林太郎の〈林〉の字も入るよ!」と提案してくれました(荒井さん、見てますか?)。
というわけで、自分の分身という意味に、もうひとつの人生の誕生という意味も込めて、自分だったかもしれない女の子の名前をいただくことにして、〈書〉の字を挟んで本名もまぎれこませました。
危険な状態で生まれた、というところもそっくりですが(笑)、しぶとく生きていきたいものです。
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