本日は小社の登記上の設立日。
みずきちゃんは2歳になりました。
3年目が、始まります。
3年目を迎えることができるのは、ご支援をいただいている読者の皆様、小社から本を出してくださる著者の方々、こんな小さな会社と組んで下さる取引先の皆様、なにかと気にかけてくださるたくさんの方々のおかげです。
こうして書くとありきたりな文章ですが、この2年間をなんとか無事に過ごすことができたのは、ひとえに人に恵まれたからなのは確かです。
深く深く御礼申し上げます。
とても幸運で、幸福なことでした。文字通り「有り難い」ことでした。
そして、いまこの国は、というよりも世界は、かなり厳しい状況にあります。
今年の正月には、「3年目は刊行点数もそこそこあるし、何とか少しでも安定した軌道に乗せる」というのが目標でした。
あれから数カ月で、小社に限らず、もはやそういった安定軌道を目標に掲げうる状況ではなくなっています。
自分や周囲の人が死ぬかもしれないと感じながら生きること。これは――少なくとも僕の人生では――はじめてのことです。
2年前にこういうことが起こっていたら、僕は会社を辞めて独立するという選択肢はとれなかったでしょう。
生き残るためにあの場でふんばることを選び続けたと思いますし、結果的に、僕の人生はいまとはまったく違った経緯を辿っていたはずです。
つまり、ああいう選択は平時であったからこそできたことです。
進学・卒業・就職・転職など、今年まさに人生の転機を迎えている人も多くいると思います。
中学生に進学する子、大学進学で地方から上京してきた人、東京から地方の新任地に向かう人。僕の周囲にもそういう人がたくさんいます。
〈自分で選んだ変化は常に正しい〉というのは、この2年間、僕が信じようとしてきたことばです。
いまは文字通り非常時であり、そのなかで転機を迎えている人には不安もあるし、危険もあるでしょう。
自らの変化が正しいことだったのか、わからなくなってしまっている人もいるかもしれません。
もしそれを望むなら、自由に選び、変わることができる。
そういう日常が一日も早く戻ってくることを、心の底から願っています。

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