• みずき書林

サンヤツ


今朝の読売新聞にサンヤツ広告を出しました。

掲載したのは、

マーシャル、父の戦場

秘蔵写真200枚でたどるアジア・太平洋戦争

民族曼陀羅 中國大陸

の3点。

よろしくお願いします!



新聞広告などを出すと、まるで羽振りがいいかのように思われるかもしれません。しかしまあ、この業界にいる人なら一概にそうとも言えないことも知っていると思います。

ええと、こういうことを書いてしまっていいのかどうかわからないので、やんわりと書きますが、広告の価格などは多くの場合あってないようなものですし、媒体によって値段は全然(ほんとに全然、まったく)ちがいます。


こういうことって、新聞社や広告代理店のひとも出版社のものも、身内以外に喋ることはまずないので、あまり情報として出回らないのですが、新聞への出版広告という世界も、なかなか深いものがあります。

ご存知の通り、新聞にはさまざまな商品の広告が載りますが、本というのはそのなかでも伝統的に特別扱いされていて、サンヤツという書籍専門の広告枠があったり、あるいは週末の読書面の下も、出版社だけのための広告枠であることがほとんどです。


本と新聞は同じ活字を扱う隣接領域ですし、ともに伝統(だけは)あるメディアです。ITもデジタルガジェットも存在せず、それどころか車や映画や家電すら一般人には高嶺の花だったころから、新聞にとって出版業者は主要な広告主だったのでしょう。そして出版社にとっても新聞は強力な宣伝媒体だったのでしょう。

その蜜月は、お互い年をとって影響力も資金力も昔日の面影を失いつつあるいまでも、なんとか続いています。

いまは正直、金銭的な意味での出版社のクライアント力は、おそらく悲しいまでに下がっているはずです。

それこそIT系や家電系のうつ広告に比べれば、新聞社へは微々たる収入しかもたらしていないはずです。しかし書籍は、それでも多くの新聞広告で特別扱いされています。

それは、本という商品が、いまなお文化的に高尚であり、新聞と並んで社会の木鐸たるべきメディアだという考えが根強いからなのだと思います。それは〈考え〉というよりは、もはや〈願い〉や〈祈り〉に近いものなのかもしれませんが、それでもなお。

だから書籍・出版の広告を充実させることに、新聞各社は(たとえ金銭的な利益は少なかったとしても)プライドをかけているわけです。


その結果、何が起こるかというと、本が売れずに出版社が苦しんでいるこの時代ですから、本の広告をずらっと並べないといけないのに、たまにはそれがなかなか埋まらないということが起こるわけです。

(考えてみれば、毎日毎日あれだけの広告枠を埋めるのが並大抵のことではないことは、容易に察せられます)

しかし、しょうがないからひと枠だけ、たとえば携帯電話やワインや寿司の広告を出すわけにはいきません。プライドにかけて。


そこで、広告代理店の人たちが奔走することになり、その流れの下って来るところ、僕のような版元が金曜日に大急ぎで広告を入稿することになるわけです。

(こういうこと書いていいのかな。怒られないか。まあいいか)


そういうときにモノをいうのは、広告主としてのパワーや資金力ではなく(そういったことが重要な局面だったら、だれが昨日今日立ち上がったひとり出版社に声をかけるでしょう)、例によって人間関係です。


今回話を回してくれた代理店の人は、いままで何の付き合いもなかった人ですが、たまたま全然違う用件で火曜日に会っていた人でした(つまり火曜日の時点では、こういう話が持ち上がることは、お互い予想していなかったわけです)。

そして新聞社の営業担当者も、たまたま2カ月ほど前に会っていました。

そういうことがつながって電話でサクサク話が進み、しかも僕のほうも今週末に広告を出してみることにちょっとしたメリットを感じるタイミングでもありました。

そういう人間関係とタイミングが合ったので、たまたま出稿に至ったというわけです。



決して、潤沢な資金があるわけでないことは、ここに声を大にして宣言しておきます(苦笑)。



上記の事情により、本の宣伝以外は基本NG。なので映画のことが1文でも入れられたのはよかった。

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