A5判並製・カバー装・縦組・232頁
定価:本体2800円+税
ISBN:978-4-909710-17-8 C3030
2021年6月刊行
ジャンル:社会学・統計学・戦争・空襲
装丁:宗利淳一
戦争社会学研究会 編
アジア・太平洋戦争の敗戦は、日本に平等化をもたらしたのか?
不平等・格差が拡大しつつあるいま、戦争や暴力による社会の流動化を正当化する言説に対して、計量分析というデータの力は、どのような可能性を提示できるのか。
内容紹介
「特集1 計量歴史社会学からみる戦争」では、大規模な社会調査データを駆使して、人々の不平等感や不公平感といった〈感覚〉を可視化する計量歴史社会学の試みを論じる。
「特集2 二一世紀における空襲の記憶と表現」では、体験者の証言保存活動、博物館展示、白黒写真のカラー化、アニメ映画制作といった実践を通して、空襲記憶の継承と表現について多面的に考究する。
目 次
特集1 計量歴史社会学からみる戦争
野上 元・浜井和史・岩井八郎・渡邊 勉
特集2 二一世紀における空襲の記憶と表現
柳原伸洋・福島幸宏・工藤洋三・楢崎茂彌・猪原千恵・片渕須直・山本昭宏・岡本充弘
投稿論文
乳幼児期被爆者による原爆体験の構築――「愛知自分史の会」の事例から/愛葉由依
戦後日本の政軍関係と自衛隊出身政治家の消長――隊友会機関紙『隊友』の言説分析を中心に/津田壮章
書評論文
戦争表象と世代の記憶――福間良明『戦後日本、記憶の力学』/荻野昌弘
シベリア抑留体験と日ソ戦争という前史――富田武『シベリア抑留者への鎮魂歌』、『日ソ戦争 一九四五年八月――棄てられた兵士と居留民』、アンドリュー・バーシェイ『神々は真っ先に逃げ帰った――棄民棄兵とシベリア抑留』/堀川優奈
「戦中派」と映画――山本昭宏編『近頃なぜか岡本喜八――反戦の技法、娯楽の思想』/森下 達
書評
「戦い」への欲望を解剖する――足立加勇『日本のマンガ・アニメにおける「戦い」の表象』/瓜生吉則
ファシズムの理解から右派ポピュリズムの検討へ――田野大輔『ファシズムの教室――なぜ集団は暴走するのか』/伊藤昌亮
テクノロジーによる「記憶」の再構築と戦争社会学研究――庭田杏珠・渡邉英徳『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』/小川実紗
趣味からみた戦争の現在――吉田純編『ミリタリー・カルチャー研究――データで読む現代日本の戦争観』/小谷七生
テーマ別分野動向
軍隊の人的資源政策――合理主義、文化主義、構造主義/望戸愛果
編集後記(亘明志)
執筆者一覧(五〇音順)
著者プロフィール
戦争社会学研究会
戦争と人間の社会学的研究を進めるべく、社会学、歴史学、人類学等、関連諸学の有志によって設立された全国規模の研究会。故・孝本貢(明治大学教授)、青木秀男(社会理論・動態研究所所長)の呼びかけにより2009年5月16日に発足し、以後、年次大会をはじめ定期的に研究交流活動を行っている。
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