昭和50年代論 「戦後の終わり」と「終わらない戦後」の交錯

福間良明 編

A5判並製・648頁
定価:本体8000円+税
ISBN:978-4-909710-21-5 C0021
2022年4月刊行
ジャンル:メディア論・社会学
装丁:松澤耕一郎・竹井仁志

​組版・デザイン:森貝聡恵(アトリエ晴山舎)

 

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「政治の季節」と「バブル文化」のはざまで――

戦争の記憶への疑念、家族と教育のゆらぎ、性と美容の変遷、マンガ・スポーツ・時代小説・冒険ブームなど趣味・教養の変質……
日本人は何を信じてきて、この時期を境に、何を信じられなくなったのか。
〈歴史化〉していくわれわれの足元を捉え返す。

内容紹介

「昭和50年代」(1970年代半ば~80年代半ば)の大衆メディア文化を検討し、いかに「政治の季節」の文化(「学生運動文化」「教養主義」「戦争の記憶」)が残存・変容しながら「バブル文化」に至ったのか、その転換の過程を解明する。
「政治の季節」(1960年頃~70年前後)の政治運動や学生運動については多くの研究蓄積があり、1980年代論やバブル文化論も、近年、隆盛を見せている。だが、「政治の季節」から「バブル文化」に行き着くまでに、どのような文化や社会の変容が見られたのか。その過程で、先行する時代をいかに引き継ぎ、断絶していたのか。この転換の過程については、これまで整理がなされなかった。
本書は「昭和50年代」という転換期のメディア文化に着目し、「政治の季節」から「バブル文化」に至る文化変容を検証する。

目 次

序章◎「戦後の終わり」の始まりとその葛藤…福間良明

第1部◎「戦後」への疑念
第1章 五〇代になった特攻隊の生き残り…井上義和
第2章 郊外家族の揺らぎと「戦後民主主義」の再検討…山本昭宏
第3章 性愛、暴力とポリティクス…日高勝之
第4章 交叉する理想…白戸健一郎

第2部◎ナショナリティのゆらぎ
第5章 海洋博批判とセクシャリティ観光の接合…小川実紗
第6章 『季刊三千里』からみられる在日韓国・朝鮮人の昭和五〇年代…権学俊
第7章 ディスカバー、ジャパニーズ…松永智子

第3部◎「趣味」の変質
第8章 昭和五〇年代の美容言説…谷本奈穂
第9章 劇画の時代の終焉…森下達
第10章 マイコンにみた世界の夢と慰め…前田至剛
第11章 体育(会)からの逸出…佐藤彰宣

第4部◎修養と教養の残影
第12章 時代遅れの〝スポ根ドラマ〟…水出幸輝
第13章 修養小説の臨界…野上元
第14章国民的英雄・植村直己の誕生…高井昌吏
第15章 大衆歴史ブームと教養主義の残滓…福間良明

編者プロフィール

福間良明(ふくま・よしあき)
一九六九年、熊本市生まれ。立命館大学産業社会学部教授。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。専門は歴史社会学、メディア史。主著に『「働く青年」と教養の戦後史―「人生雑誌」と読者のゆくえ』(筑摩選書、二〇一七年、サントリー学芸賞受賞)、『戦後日本、記憶の力学―「継承という断絶」と無難さの政治学』(作品社、二〇二〇年)、『「勤労青年」の教養文化史』(岩波新書、二〇二〇年)など。