どういう会話の流れだったのか忘れましたが、かつて松本智秋さんと話をしていた時に、彼女が、
「自分の人生が、けっこう気に入ってる」
と言っていました。
今日、義弟の運転する車の後部座席から海を眺めていたときに、不意にそのやりとりを思い出しました。
僕もいま、自分の人生がけっこう気に入っていることに気づきました。
なぜそう思うのかというと、僕にとっては十分な人数の、僕にはもったいないような人たちが近くにいてくれるからに尽きます。
かつては自分自身のことがそれほど好きではありませんでしたし、自分の人生が気に入っていない時期もありました。
それが上向いたのは2018年の春からで、2021年の秋以来、上向いた気持ちは踏み固められてより強固になりました。
シャレにならない病気になることの最大の効能のひとつを教えようか。
それはこういうことを書いても、たいして恥ずかしいとも思わなくなることです(笑)。
それどころか、言いたいことはしっかり言っておいていいという気持ちになります。
健康だったらこんなことを思うことはなかったでしょうし、ましてやこんなことを書くこともなかったでしょう。
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ああ、やっと来られたよ。
元気そうでなにより。
泣けるね。
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『旅をひとさじ』のサイトに不定期連載していた智秋さんのエッセイ。
最後の投稿になった「Hello from Bangkok」の最後の一節。
いわば智秋さんの絶筆です。
最後のメッセージが旅先からというのがいかにも彼女らしい。
旅をなによりも愛し、そんな自分が気に入っていた智秋さん。
僕もたくさん喋ってたくさん書いておかないと。
言い忘れたことがないように。

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