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執筆者の写真みずき書林

『恥ずかしい料理』

という新刊があります。

梶谷いこ著・平野愛写真、誠光社さん刊。税込1980円。


「決して人には見せることのない日常の食事にこそ、手触りのある物語は宿る。見栄えもしないし、今どきでもない、すべての家庭料理に愛を込めて。」


というのが本の解説文の一部。


これは良い企画だな、いいな、と思います。

昨今はみんな自炊が増えているということもあると思いますが、なんでもない日の普段着の料理にフォーカスするというコンセプトが面白い。

写真が優れているから、ほんとに不細工な見た目にはなっていないのもいい。


ぼくも料理写真をアップすることがあって、たま~に褒めてくださる方がいて、料理上手みたいな言われ方をすることもあります。

でも料理上手とは、おそらく〈映える〉料理を作れるということではない。

もちろんそういうスペシャル感を出せるのも腕のうちだけど、もっと大切なことは、毎日毎食、営々と作り続けることなんだろうな。


上記の宣伝文に続いて、


「SNSや雑誌メディアでは、華々しくスマートな「食景」が溢れているけれど、多くの人々にとってそのような華やかで洗練された食事はあくまで非日常のこと。称賛と羨望を集める食事は、数え切れないほどの「いつもの食卓」の上に成り立っている。」


という文章が続くのですが、まさにその通りだと思います。


というわけで、何でもない普段はこんなもんやで。みんなこんなもんやろ? という写真を。


貰いもののハムと卵とじの素麺。


高野豆腐、味の梅煮など、主役感のない面々。

羽根つけるの失敗した焼き餃子。

素ラーメンと前日の残りのおでん。




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