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  • 執筆者の写真みずき書林

2022年5月17日

〈2022年5月17日〉


この1年もいろいろあった。

去年の今頃は、やっと高齢者のワクチン接種の予約が始まったんだった。

親たちの予約が出来てよかったね、なんて言ってたんだった。

もちろんみんな元気で、たまに会うことがあると、去年の今頃のことはすっかり思い出話だ。

なんやかんやで2020年と2021年の2年間は、「コロナの年」として総括されることになった。

でもあれから1年経った。


人類とコロナウイルスの関係は、インフルエンザをはじめとする数々のウイルスと同じところに落ち着いた。ようするに互いの存亡を掛けた熾烈な戦いから、ワクチン開発と変異のいたちごっこに落ち着いたということだ。

オリンピック? そんなこともあった。あのころは大問題だったけれど、今では話題になることもない。

あの無気力で凡庸な総理大臣、何て名前だったっけ? 


もちろん、世界はあいかわらず問題を抱えている。クソみたいな場所だ。

でも2022年もそろそろ半分が経つけど、やっとやっと、ちょっと前向きな気持ちになれているんじゃないだろうか。

久しぶりに、そういう雰囲気がある。


コロナを経て、われわれは「いつかすべては行き過ぎる」ということを肌身にしみて学んだ。

すべては行き過ぎて、でもそれぞれにとって、大切なものは残る。

いや。より正確にいうと、大切なものだってときとして行き過ぎていってしまう。だから、大切なものが残るのではなく、残ったものが大切なものなんだろう。(そう思うしかないじゃないか)

それはつまり、大切なものを見つけるのは時間がかかるということでもある。



去年の今頃、ある取材をした。

アフリカのウガンダと深いかかわりを結び、世界の様々な問題やなかなかうまくいかない自分自身の人生に直面しながらも、教育者になるために努力している人だった。その人は明るい笑顔で、ごく当たり前のことのように「自分ががんばれば何かが変えられる」と言っていた。

僕はけっこう本気でびっくりして、1年経ってもそのことばをまだ憶えている。


僕は身近にいる何人かの顔を思い浮かべ、思わず「あなたたちのような人は幸福になるべきです」みたいなことを口走ったと思う。唐突に口をついて出た。

そんな些細なことばかり、けっこうよく憶えている。


明日は打ち合わせ。

新しい本を作る。

マスクもつけずに喫茶店で待ち合わせなんて、いまだに新鮮だ。

楽しみ。


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