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  • 執筆者の写真みずき書林

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「自分が何かを達成したという感じはないです。ほんとに人に恵まれたとは思いますけど」

(大川史織、映画監督/移動中の会話)



1年前、創業当初の頃を考えている。

あれから1年が経って、わずか1年とはいえ、ある種の感慨がある。

僕はおそらく、2018年という年のことをずっと忘れないでいると思う。

この年は、僕にとっては特別な年だった。

願わくば、みずき書林に関わった多くの人にとってもそうでありますよう。

そして今年以降もずっと、この1年のような心楽しい時間が続きますよう。


この1年に、才能のある人とたくさん出会った。

写真を撮る才能。

映画を作る才能。

本を書く才能。

漫画を描く才能。

物語を紡ぐ才能。

ある場所に深い愛情を注いで、自分が生きる場所を見出した人。

あるストーリーが面白くてたまらないで、深掘りしていく人。

自分でもわけがわからないままに、自分が見つけた表現方法を追求していく人。

学問的な研鑽を営々と築きあげていく人。

多くの人を集めて学問・研究を組織していける人。

こういう人たちは、見ていて気持ちがいい。


〈才能〉とは何か。

たとえば僕には、ある種の〈能力〉はあると思う。

僕はだいたいのことが、人並みか人並み以上にできる。

編集もできる。営業もできる。ウェブの構築もできるし、請求書も作れる。

料理もできるし、走れば20キロくらいはランができる。絵もそれなりにうまい。

掃除も洗濯も当然できる。どちらかというと整理整頓は好きなほうだ。

決してお洒落でもないし金をかけているわけでもないが、無茶苦茶なセンスの服を着ているわけでもない。

本もそこそこ読んでいるし、映画も音楽も、誰のどんな話にもそれなりに合わせられるくらいは見聞している。

RPGのキャラのパラメーター風に言えば、HPもMPもちからもまりょくもすばやさも平均か平均以上で、比較的大きめでバランスのとれたグラフを作れるはずだ。

要するに、どんなことでも75点くらいは取れるんじゃないかと思う。

そういう意味では、僕は社会人としての〈能力〉は比較的高い。

しかし、〈才能〉はない。

(つづく)

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