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  • 執筆者の写真みずき書林

初心

次の本の入稿作業。


もう何度も見なおしているゲラなのに。

今頃になって。

前付の台割に修正が生じる。

目次と章題の表記が違っていることに気づく。


いずれも軽微というか――組版担当の方にご面倒をおかけしたものの――対応可能な修正ではあったが。

しかし今の今まで見落としていたことに、われながらうんざりする。


この本がISBNを付した市場流通本としては10冊目で、そろそろ油断が出るころかもしれない。

前職ではおそらく300冊近くは本を「担当」してきて、本作りのノウハウだけはさんざんに叩きこまれている。

考えてみれば僕にとって仕事の「初心」とは、ナイーヴで爽やかなものではなかった。それは、良くも悪くも官僚的な進行管理能力と、どのようなタイプの本であれとりあえず形にする量産型の技術のことだった。

(あのころ「年間何冊の担当書を出したか」が、アイデンティティであり評価の基準だった)


だからこそ、この会社を立ち上げてからは、そのノウハウを教わったことはありがたいと感じながら、編集のプロセス・本への向き合い方は意識的に変えてきた。

そうすると、本作りが今まで以上に楽しくなった。


とはいえ、楽しいばかりではいられない。

全面的に心を譲り渡すことはもうないけれど、でもあの「初心」を忘れないようにしないと。


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