• みずき書林

dog ear

本を大事にする方法には二通りあって、汚さないように丁寧に扱う派と、ページを折ったり書き込みをしたりで汚す派に分かれます。

僕は後者です。

一般には前者のほうが〈本を大事にする〉王道とされていますが、僕は必ずしもそうとばかりは思いません。

作ってみると実感しますが、本というものは大量のコピーを作って頒布するものです。全く同じそっくりさんがこの世に何千とか何万とかあるわけです。そのなかの1冊、たまたま自分の手元に来ることになった1冊ですから、他人行儀に接するのではなく、しっかり〈自分ち〉の道具にしてやりたいと思います。


とはいえ、自分で装丁をしたり蔵書印を捺すような趣味はないので、線を引いたり折ったりして、文字通り汚しているだけです。



昔はペンを常備して、気に入った文章には線を引き、本扉にそのページ番号を書き写していました。そしてさらに、読了後にその文章を手書きで無地のノートに書き写していました。

この個人的な名言・箴言集みたいなノートは3~4冊作って、まだ我が家のどこかに転がっているはずです。


近くにペンがないときは、単にページの上端を折っています。

そのときに、ページの折り目が気に入った文章を指すように折っておきます。すると、次にめくったときに、どの文章に引っかかったのかがすぐわかるという寸法です。

ただし気になった文章がノド側に寄っている場合は、すごく大きくページを折ることになります。ページの角を折ることをdog earといいますが、顔の半分くらいを覆う年老いたビーグルみたいな耳になります。

ちょっと恥ずかしいので、人に貸すときには、折った耳を元に戻してから貸すようにしています。

明らかに耳が伏せていた折り目がついていても、気にしないでください。


耳でか犬
ページの両側に気になる文章が出てきたときも、なかなかややこしいことになります。

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