一月ばかり前。
歌舞伎町の中華料理屋青葉にみんなで集まりました。
そのときに大川さんと見元さんが『coda あいのうた』の話をしていました。
遅ればせながら、今日観ました。
青葉で集まる直前、僕はそこそこ長い間入院していて、病室でマーヴィン・ゲイを聴いていたのでした。
『coda』の合唱クラブの練習は「Let's get it on」から始まります。
そして僕が病室で繰り返し聴いたマーヴィン・ゲイとタミー・テレルのデュエットアルバムから「You're all I need to get by」が重要な曲として作中に登場します。
そして極めつけはジョニ・ミッチェルの「Both sides now」です。
この曲は昔からほんとうに大好きな曲で、非常に優れた歌詞を持っています。
僕が知る限り、ポップミュージック史上もっとも美しい歌詞のひとつだと思っています。
昨日「ニンゲンラジオ」で25年来の友人であるひさしと話をしました。
「外部からやってくる物事に対して、自分の内部が接続されたときに感動が生じる」という話をしたのですが、まさにそういう経験でした。
青葉での会話。ずっと聴いてきた名曲。病床で聴いていた音楽。そういったものがなくても、『coda』は間違いなく名画です(アカデミー賞作品賞受賞作だし)。
でも、個人的な内面と接続されたことで、僕にとってはいっそう味わい深い作品になりました。
*
個人的な接続についてもうひとつ。
ほんとうは、誰かに何かをいただいたとか、そんな話はあまり書くべきことではないのかもしれません。
しかし、この写真を見てください。
入院中に、僕はマーヴィン・ゲイ&タミー・テレルについてこんな記事を書いていました。
そして退院直後に、ある社会学者の先生方と打ち合わせをしたのです。
そのときに、ある方がお土産にこのLPをくださったのです。
(featuringの1曲目に「You're all I need to get by」がありますね)
その粋なお心遣いがありがたくて、嬉しくなりました。
そんなことも『coda』をみて涙するのに一役買っています。
(最近の僕はすぐ泣きます)
我々の人生には、当人にしかわからない小さな伏線がたくさん張られていて、それに気づくことが人生を豊かにしてくれるのかもしれません。
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