top of page
  • 執筆者の写真みずき書林

先の企画のためのノート――作家と編集者

9月13日。

新所沢。


まだ詳細は公開できないので名は秘しますが、さる漫画家さんに取材。

話の内容はきわめて興味深いものでしたが、これも商売道具なので、ここでは書きません。



個人的にすごく興味深く、ここで書いてもかまわなそうなことは、作家と編集者の関係でした。

今回は漫画家さん本人だけでなく、担当編集者の方にも同席いただき、一緒にお話をうかがいました。



考えてみれば、同業者であるほかの編集者が実際にはどんな仕事の仕方をしているのか知る機会はあまりありません。

とくにひとり出版社になってからは、完全に自分ひとりだけなので、ますます他の編集者の現場での仕事ぶりを見ることは少なくなりました。



インタビューは2時間以上におよび、もちろん基本的には漫画家さんが話をなさるのですが、要所要所では編集の方も話をして下さいます。

作品が生まれた背景、制作中の取材や資料収集、取材のための旅行の話など。

作家の発言をフォローし、記憶をたどって補足し、相づちを打つ。

基本的に個人事業である漫画の制作を編集者がどのように支えているのか、よくわかりました。

そして、作家ととてもよい信頼関係を築いていることが伝わってきます。

作品のコンセプト、作家の考えに共感し、作家もまた共同作業者としての編集者と、社員としてではなく個人として関係を取り結んでいるようです。


取材の最後に、ちょっとしたアンケートを書いてもらったのですが、書き終わった後にふたりがテストが終わった子どものように、それぞれの答えを見せあっている姿が印象的でした(しかもその答えは、絶妙にリンクしているのでした)。



おふたりがどんな話を聞かせてくれたのか、いずれ本にします。

こんなふうに、普段だったら直接話をうかがう機会のない方のことばを聞くことができるのは、なんと贅沢なことなのでしょう。

今のところ編者と僕だけが聞いているお話ですが、丁寧にことばにしたいと思います。


編集者として、どのように著者に関わっていくのか、よい刺激を受けました。



最新記事

すべて表示

岡田林太郎についてのお知らせ

岡田林太郎の妻です。 いつもこのBlogを楽しみにしてくださり、ありがとうございます。 かねてから病気療養中でした岡田林太郎が、去る7月3日の3:00ごろ自宅で息をひきとりました。 享年45歳でした。 一般的にみれば、早すぎる死といわざるをえません。 ですが本人は、短い人生だったけれど悔いはないとさっぱりした口調で申していました。 これもひとえに、夫と縁をもってくださった皆さまと充実した時間を過ご

もう一度ちからを

ずいぶん更新が滞りました。 まだ長い文章を書く余力がありません。 ただ自宅に戻り、療養しています。 どうか見守ってください。 ふたたび仕事をしたり、みなと会ったりする力を取り戻せますように。

退院しています

昨日、退院して自宅に戻っています。 ただし体調は万全とはいかず、吐き気、お腹の張り、高熱に苦しんでいます。 せめてそのうちどれかひとつだけでも治ってくれるといいのですが。 昨日も今日も仕事を再開するなど本格的な再起動にはほど遠く、ただベッドで横になっていただけです。焦ってはいけないと言い聞かせつつ。

bottom of page