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  • 執筆者の写真みずき書林

在宅看護のありがたみ


昨日から両親が上京しています。

昨日はNHKの三橋カメラマンも交え、我が家で喋っていました。

子どもの頃の話、学生時代、愛読書である『夜と霧』のこと、いまのところ3度目で最後の入院である昨年末の危うかった頃のことなどなど話はあっちこっちに飛びますが、そのなかで少し触れた、在宅医療がいかに手厚く信頼できるものか、ということをここでも強調しておきたい気持ちです。


僕はいま、自宅で療養しています。基本的には日中に仕事をして、犬の散歩なんかもできて、ほぼ普段と変わらない生活を続けています。

その暮らしのなかで、週に2回ほど主治医の先生に来てもらっています。

加えて毎日朝9時半に、看護師の方に来ていただいて、1時間ほどケアをお願いしています。


退院したばかりでまだ体調が悪く、在宅医療ということをよく知らなかった当初は、果たして看護師さんやお医者さんに訪問してもらって、それで事が足りるのか、十分な治療が受けられるのか、心配でした。

入院していれば、四六時中、すぐ近くに看護師・医師が待機していて、それこそ深夜であれ早朝であれ、困ったことがあればいつでもナースコールを押せば駆けつけてくれます。患者にとっては、こんなに安心なことはありません。

在宅看護となると、もちろん二四時間対応ではあるのですが、さすがにすぐ近くにいて何かあればあっという間に駆けつけてくれる、というシステムではありません。病院に比べれば、多少のタイムラグは生じます。その点が不安といえば不安でした。


しかし実際にやってみると、在宅看護はすごくスムーズに、安心できる環境のなかで進んでいくことになりました。もちろん病状が比較的落ち着いているということも大きいとは思いますが、それにしても、看護師さんたちが毎朝来てくださるという安心感と信頼感は格別のものがありました。

しかも、病院だとすごくたくさんの看護師さんたちがローテーションのなかで動くので、どうしても顔と名前が一致せず、同じ質問を繰り返し尋ねられているような気がしていささか疲れたり、看護師と患者以上の信頼関係が築きにくい側面があるのですが、在宅看護の場合は、スタッフの数も限られているので、顔と名前が容易に一致し、そのぶん患者と看護師を超えた人間関係・信頼関係が生まれます。

主治医の先生とも時には雑談もしますし、看護師さんたちはみんなクリームのことが大好きです。ひとりの患者としてだけでなく、人として、僕のことを「知ってくれている」という安心感が生まれます。

いまの僕の暮らしが安定しているのは、支えてくださる医師・看護師の皆さんのおかげで、いくら感謝してもしたりない思いです。


このあと僕の病状がどうなるのか、最終的にどういうふうに僕はこの世界に別れを告げることになるのか、それは誰にもわからないことです。

でもいまは自宅に戻って療養できていることがとてもありがたいですし、この半年間、それを可能ならしめてくれた在宅医療の仕組みには、本当に感謝です。


このブログは実際の闘病に役立つようなことはほとんど書かれませんが、もし通院治療・入院・ターミナルケアなどなど様々な選択肢に迷われている同病の方がいらっしゃるなら、その選択肢のなかに在宅というかたちもありうることを強調しておきたいと思います。


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