top of page
  • 執筆者の写真みずき書林

恋文としての企画書


昨夜は全く眠れず、開き直って5時まで起きている。

小さな微かな音で音楽を流しながら、なかば本気、なかば夢のような企画書を作る。


なかば本気。というのは、ぼく自身が純粋に読みたい、作りたい本だから。

もしチャンスがあるなら、実際に自分の手で、この本をこの世にあらしめたい。

なかば夢。というのは、相手のあることで、実現できるかどうかは自分ひとりで決められることではないから。そして仮に意中の相手がOKしてくれたとしても、ぼくにそれだけの時間が残されているかはわからないから。


ともあれ、深夜に本棚をひっくり返してタイトルをリストアップし、文字数を計算し、仮に立てた部構成に応じて原稿を配置していく。

けっこう書き下ろしも必要だな。既発原稿とのバランスはむしろいいかもしれない。


そんなふうに、相手に見せるかどうかもわからない、A4ペラ1枚にすぎない企画書を作っていく。考えてみた結果、誰にも見せないでそっとフォルダの奥底にしまうことになるかもしれない。

秋の夜長の夢のような妄想。興奮してそのままのテンションで相手にメールしないように、あえて隙間だらけのメモ程度のスケッチに留める。


相手の性別を問わず、企画書を作ったり企画概要をまとめたりするのは、恋文を書くのに似ている。考えてみれば「一緒に本を作りませんか」なんて最高にクールで誰にでも言えるわけではない口説き文句だ。

まあ本当にそれが相手の心に届いたなら、実際に長い長い恋文のような文章を書くのは、僕ではなくて相手なんだけど(笑)。


というわけで、プリンタのトレイには、昨夜の名残の企画書が1枚残っている。

一見、味も素っ気もない。A4サイズのエクセルの。なかば本気、なかば夢のような。恋文のような。企画書。



最新記事

すべて表示

もう一度ちからを

ずいぶん更新が滞りました。 まだ長い文章を書く余力がありません。 ただ自宅に戻り、療養しています。 どうか見守ってください。 ふたたび仕事をしたり、みなと会ったりする力を取り戻せますように。

引き続き倦怠感

またしばらく更新が滞りました。 この数日、倦怠感があったり、急に明け方に高熱が出たり、ちょっとだけ参ってました。 本当はこういうときこそブログや日記を書くべきなのかもしれません。 体調がよくて比較的平穏に過ごせているときだけでなく、ちょっと具体が悪いときほど、書き残しておくべきなのだと思います。 しかし頭ではそう思っていても、実際に具合が悪いと、なかなか思ったように書けません。 そういうときは時間

倦怠感が少し

昨日今日くらい、なんだか倦怠感が強く身体がうまく動かない感じ。 ここのところずっと点滴していたステロイドを半量に減らしたので、その影響もあるのだろうか。 身体に力が入らず、集中力に欠ける状態が続いていて、少しつらい。 まあ、こんな日もあるということで、できる範囲・できる時間で仕事をしていくしかない。 スピッツの新譜を聴きながら仕事。 あいかわらずのグッドメロディ。学生の頃から聞いてきた音楽。 なん

bottom of page