なぜ戦争をえがくのか――戦争を知らない表現者たちの歴史実践

大川史織 編著

四六判並製・カバー装・縦書・320頁
定価:本体2000円+税
ISBN:978-4-909710-15-4 C0021
2021年1月刊行予定
ジャンル:近現代史・芸術

 

美術、絵画、漫画、工芸、音楽、小説、写真、彫刻、演劇、研究……
歴史と記憶と表現をめぐる10の対話。

かれらはどのように戦争と出会ったのか。わたしたちは知らないことをどのように語り継ぐのか。
体験のない人びとによる、体験のない人たちのための、〈記憶の継承〉のかたち。

内容紹介

敗戦から75 年が経過し、当時を知る人の数は年々少なくなりつつある。

体験者の記憶を継承することは急務のひとつである。

しかし、〈戦争記憶の継承〉とはどういうことなのか。

VR・ARを駆使して中東の戦禍を現出させる現代美術家、満洲で死んだ祖母を圧倒的な画力で蘇らせる画家、ペリリュー島の壮絶な戦いを可愛らしいタッチで描く漫画家……。

多彩な表現で歴史に向き合う10組のアーティストたちにインタビューし、その動機、表現の方法、継承のありかたを探る。

目 次

はじめに


小泉明郎        逃れようのないものへの違和感や怒り
諏訪 敦        不在を、どこまで〈見る〉ことができるか
       〈旅の記憶 マーシャル諸島共和国〉
武田一義+高村亮    そこにいたであろう人を、みんな肯定したい
遠藤 薫        不時着と撤退戦/いつもどうしても含まれてしまうこと
       〈旅の記憶 ヴェトナム〉
       〈旅の記憶 韓国〉
寺尾紗穂        ニーナたち、マリヤンたちの《コイシイワ》
土門 蘭+柳下恭平    書くことでたどり着く、想像の外へ
後藤悠樹        いつも間に合っていないし、いつも間に合っている
小田原のどか  失敗の歴史、破壊される瞬間と、眠ってしまう身体
畑澤聖悟        四隻の船と、青森から航路をひらく
庭田杏珠+渡邉英徳    特別な時間のおわりと、記憶をたどる旅のはじまり


あとがき

編者プロフィール

大川史織(おおかわ・しおり)
1988年神奈川県生まれ。映画監督。慶應義塾大学法学部政治学科卒。マーシャル諸島共和国の日系企業で働きながら、人びとのオーラル・ヒストリーを映像で記録。マーシャル諸島で戦死(餓死)した父を持つ息子の慰霊の旅に同行したドキュメンタリー映画『タリナイ』(2018年)で初監督。編著書に『マーシャル、父の戦場――ある日本兵の日記をめぐる歴史実践』(みずき書林、2018年)。両作品で山本美香記念国際ジャーナリスト賞・奨励賞受賞。