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  • 執筆者の写真みずき書林

世界ワンプレート紀行②ロシア編&イタリア編


その国の一番メジャーなワンプレ料理は簡単なんじゃないか? という思い付きで始めた、前回の続き。



〈ロシア編―ビーフストロガノフ〉



ロシアのワンプレといえば、ビーフストロガノフ。これしか知らない。

ピロシキとかボルシチとかあるけど、具入りの揚げパンは面倒くさそうだし、スープでは一食にはならない。

で、ビーフストロガノフと聞くとなんだか難しそうだが、ようするにカレーだ。

作り方はほぼカレー。


例によって玉ねぎ。あとはマッシュルーム。

もちろん牛肉。

ビーフストロガノフに使う肉は、ある程度厚みのある、けっこうお高めの肉を使わないといけないような気がしますが、そうでもありません。

薄切りの安肉でも十分OK。

まずは薄切りの肉を塩麴に漬けて一日置きます。これでけっこう柔らかくなる。

それを棒状にねじって、厚みを出す。ハナマサで買ったぺらぺらの肉でも、これで柔らか&ボリューム感が出る。

そこに胡椒と小麦粉を少々まぶす。





あとはフォンドボーから作るのがいいとか、いろいろ言われますが、もう市販のデミグラスソース缶でいいや。フォンドボーを作るの面倒すぎるし、買うとひと缶800円くらいする。デミ缶は200円台だ。

サワークリームも面倒だから省略。レモンの絞り汁で十分代用可。

米は、オリーブオイル数滴とバターひとかけとともに炊く。即席バターライスである。


コスパ★★★☆☆

地味さ★★★★★

満腹感★★★★★


いちおう牛肉だし、デミグラスソースだし、コスパはそんなによくない。

そのわりにはビジュアルは地味だ。温野菜でも添えればいいのだろうけど。

でもボリューム感はしっかりあります。


作り方はほんと、カレー。

まあ、本格的に作ればもっと手間暇かかるのだろうけど、こんなもんでよし。

(しかし考えてみれば、日本代表で親子丼をチョイスしたけど、ワンプレ・ジャパンといえば、大多数がカレーを選ぶのではないだろうか。しかしあれは日本なのかインドなのかイギリスなのかよくわからない。もう親子丼作ったし、カレーのことは見て見ぬふりしよう)



〈イタリア編―トマトとバジルのスパゲッティ〉


リゾット、という線もありだけど、やはりわが国でイタリアといえばパスタ、それもスパゲッティでしょう。

プチトマト、バジル、チーズという王道のソースで。

みじん切りにしたにんにくをオリーブオイル弱火で炒め、香りが出たら湯剥きしたプチトマトを投入。半分は潰し、半分はあらく形を残すくらいで。パスタのゆで汁でのばして乳化させ、ゆで上がったパスタ、適当にちぎったバジル、すりおろしたパルミジャーノをたっぷりかけるだけ。


満足度★★☆☆☆

応用度★★★★★

見た目★★★★★


動物性のものがチーズだけなので、ボリューム感と腹持ちはわるい。

やはり野菜系のパスタだけで一食にはなりにくい。

でもトマトベースの基本中の基本なので、ここからのバリエーションの広がりはすごい。

ベーコン入れたり、マッシュルーム放り込んだり、残りもの処理班として優秀。

見た目は、イタリア国旗の色。

緑は国土、白は正義、赤は愛国者の血を表しているらしいが、ぜった嘘だ。

バジルとチーズとトマトに決まってる。

だってイタリア人だぜ。


『幸せのレシピ』という、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ主演の映画があります。

イタリアンシェフが主人公のラブコメで、職場での成長と恋愛が重なるよくある話なのですが、この映画で、どうしてもまともな食事をしてくれない小さな女の子に、ライバルのシェフがトマトパスタを食べさせるシーンがあります(このライバルのシェフとキャサリンは恋に落ちる。例によって)。

そこでシェフが、女の子に見られていることを意識しながら、いかにもかぐわしそうにバジルの束の匂いをかぐカットがあります。

たしかにバジルの匂いは、素敵です。

僕もバジルを使うときは、かならず目いっぱい香りをかいでから使います。


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