top of page
  • 執筆者の写真みずき書林

月明かりの夜の旅


松本智秋さんの最新刊『旅をひとさじ てくてくラーハ日記』について藤岡みなみさんがtweetくださって、それが1000いいねを超えて、嬉しい。


智秋さんも書いていますが、「ラーハ」にはぴったりする日本語訳がありません。

労働でも余暇でもない、アラビア圏ではもっとも大事とされている第3の時間。


解釈は人それぞれでいいのだと思いますが、労働とは目標の有無という点でも生産性の有無という点でも異なります。

余暇とは、意図や目的の有無という点で異なります。

ラーハには、目標も生産性も意図も目的意識もありません。というか、なくてもいいのです。


ただ心のままに過ごすこと。

僕なりのことばでいえば「何も追わず、何にも追われない時間」という感じでしょうか。

なにをしてもいい。でも目的や生産性や意図や目的を追うことはない。時間に追われることもない。ただ心の赴くままに、心を満たす時間。


先にリンクを貼った智秋さんの文章によると、ラーハの語源は「月明かりの夜の旅」なのだとか。

なんといいことばなのでしょう。

月に照らされて砂丘を超えていくラクダの一群のような、あるいは青い海みたいな草原を走っていく馬の群のような絵が想像されます。

ひとであれば、やはりひとり旅が似合うようです。肩に担いだ枝の端に軽い荷物を括りつけて、のんびり歩いていくような。

アンリ・ルソーの『眠れるジプシー女』みたいなイメージもラーハっぽい。



我が家はちょっとした高台にあって、家を出た坂道からは遠くに東京タワーが見えます。

赤くライトアップされた東京タワーの右上に月がかかっているような夜に、興味の赴くままに無目的に歩き回る愛犬と一緒に散歩していると、ああラーハだなぁと思うのです。



ラーハッッ!




最新記事

すべて表示

引き続き倦怠感

またしばらく更新が滞りました。 この数日、倦怠感があったり、急に明け方に高熱が出たり、ちょっとだけ参ってました。 本当はこういうときこそブログや日記を書くべきなのかもしれません。 体調がよくて比較的平穏に過ごせているときだけでなく、ちょっと具体が悪いときほど、書き残しておくべきなのだと思います。 しかし頭ではそう思っていても、実際に具合が悪いと、なかなか思ったように書けません。 そういうときは時間

倦怠感が少し

昨日今日くらい、なんだか倦怠感が強く身体がうまく動かない感じ。 ここのところずっと点滴していたステロイドを半量に減らしたので、その影響もあるのだろうか。 身体に力が入らず、集中力に欠ける状態が続いていて、少しつらい。 まあ、こんな日もあるということで、できる範囲・できる時間で仕事をしていくしかない。 スピッツの新譜を聴きながら仕事。 あいかわらずのグッドメロディ。学生の頃から聞いてきた音楽。 なん

19日、20日の日記

5月19日(金) 昨日は実に眼福なものを拝見する。 公開してもいいものかどうかわからないのでここに詳しいことを書くことはできず、思わせぶりな書き方になってしまいけれど、本当に恐縮かつ光栄なことでした。 ごくごく身内にだけ見せて、感涙に咽んだのでした。 5月20日(土) 午後からイベント3連発。 13時から第4回聖書読書会。 マタイによる福音書。今日読んだ最後の節が、イエスがガダラの人を癒すというく

bottom of page